好 ページ5
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帰りのホームルームが終わった。
「じゃーな大先生、気ぃつけて帰れよ」
「ばいばい」
トントンで教室で別れ、少し早足で歩く。
すると、廊下の先から誰かに声をかけられた。
「大先生、今日は早かったんだな」
「..............グルちゃん」
グルッペンは、僕よりひとつ年上の2年生。この高校の生徒会長を務めている。
あと陸上部。Aとは同じ部活だ。
そして僕の秘密を知っている唯一の人物.......でもある。
はちみつ色でさらさらの髪に、クリムゾンレッドの瞳。
僕よりも数十センチ高い身長。多分180はあるね。
「なんかさ、グルちゃん髪の色また明るくなった？」
「そうか？日焼けしたのかもしれんな」
そう言いながらグルッペンは自分の髪の毛を引っ張る。
「やっぱ髪の毛って紫外線で茶色くなるんやね」
「..............でも、Aの毛先も結構茶色くないか？」
「だよね、やっぱ真っ黒の人の方が意外と少ないんかな」
と言ったあと、ぱっと頭の中に1人思い浮かぶ。
「あ、でもトントン」
「ん？」
「トントン、は真っ黒だった、よ」
本当に少し。少しだけつっかえてしまった。
そんな僕のことを、こいつは見逃してくれない。
「あー.......確かに、な」
グルッペンの表情が急に真剣になった。
さっきまでとは違った瞳で、僕の目を真っ直ぐに見つめる。
「お前さあ.......しんどくないのか？」
「何が？」
僕はまるでなんともないみたいに、へらっと笑って見せた。
グルッペンは呆れたようにため息をつく。
「いや、なんでもない。じゃあな大先生」
「うん。ばいばい」
すれ違いざまにグルッペンはポン、と僕の頭に大きな手を置いて
「だめになったら、俺に言うんだゾ」
あーあ、少しだけ、少しだけだけど、泣きそうになってしまった。
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清水(プロフ) - うわぁ…………すごい、やっぱこさめちゃん神だぁ大好き。 (2022年1月1日 20時) (
レス) @page10 id: 17bca52c33 (このIDを非表示/違反報告)
みらーぼーる(プロフ) - 夕兎さん» 来てくれたんですね！ありがとうございます嬉しいです(*^^*) (2021年12月31日 21時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
夕兎(プロフ) - 好きなのを隠すのが辛い鬱先生、失恋しきれない鬱先生が表現されてていいなぁ…ってなりました。素敵です。 (2021年12月31日 21時) (レス) @page10 id: b9ae42eee2 (このIDを非表示/違反報告)
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