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怖い。怖い怖い怖い怖い




「どうにかして、逃げ切らないと」




藤棚を抜け山に入った途端、鬼が襲ってきた。
鬼。私の父を、母を、妹を殺した鬼。

でも私の中には憎悪や復讐の気持ちはなくて、
ただただ恐怖し、逃げ回っていた。

いくら憎くても怖いものは怖い。
それは家族を殺したからもあるけど、もっと深い
潜在的な恐怖。




「くそっ!あのガキどこに行きやがった!」




幸運にも、私の小さな体は木々の中にうまく隠れた。
私は自分の口を力一杯手で塞ぎ、息を殺して
鬼が過ぎ去るのを待った。




「…あまり居すぎるのもよくない」




足が震える。手も震えて薙刀をうまく持てない。
気持ち悪くて吐きそう。

でも、行かなきゃ。歩かなきゃ。


私は力を振り絞って歩いた。


暫く歩くと、人が見えた。
とても怯えながら刀を構えている。

鬼と交戦しているのだとすぐに分かった。

直ぐに逃げたいのに、足が思うように動かない。
怖い。怖い。逃げたい逃げたい逃げたい。


ただ草陰で震えながら
交戦している人と鬼を見ていた。

そこで鬼の姿が見えないことに気づいた。
木の影になっていた。


鬼はどこだ。そう思い少しだけ背伸びをした瞬間




「ひっ…!」



急に緑色の大きな手が伸び、
刀を構えていた人の頭を鷲掴みにした。

その手からは血が吹き出し、
その人が持っていた刀がするりと落ちた。

頭を潰したその手は、その人を持ったまま戻り
次の瞬間、バキバキと音が鳴った。


人を食べているのだ。


私は気配を殺して、
出来る限り音を立てずにその場から立ち去った。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 原作沿い , 継子   
作品ジャンル:アニメ
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ひより(プロフ) - ヒナさん» うわわ!本当だ!恥ずかしい……ありがとうございます!笑笑 (2020年8月9日 15時) (レス) id: 9289657a5e (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 最終選別が最終選抜になってますよ笑 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 34797771fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひなこさん | 作成日時:2020年8月9日 0時

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