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その日は確か、とても綺麗な満月が出ていて
雪女と一緒に縁側で月を見ていたのだ。




“見て、雪女!月にウサギさんがいるよ!”


“ホントですね、リオナ様!
月のウサギはああやって、餅をついてるんですよ”




多分、そんな他愛のない会話をしていたと思う。
すると…そう、そんな時に
バタバタと忙しない足音が聞こえた




“姫!雪女!生まれたよ!”




足音の主は毛倡妓だった。
私は、その言葉の意味がわからないまま
雪女に手を引かれ、薄暗いある一室に入った

そこにはお父さんとお母さん、
それとお母さんが抱えた私よりも小さい子。




“リオナ、来てくれたのね”




お母さんは何だか、疲れているようだった




“‘リオナ、お前の弟だぞ”




お父さんは何だか、泣いているようだった




“おとうと!この子がおとうとなの!”


“ええ、今日からリオナはお姉ちゃんよ”




前々から「おとうと」が生まれることも、
自分が「お姉ちゃん」になることも知っていた

これでついに私もお姉ちゃんになるのか、と思い
お母さんの抱いている「おとうと」に向かった




“おとうとー、よしよーし”




そう言っておとうとの頬を指でつつく。
ぷにぷにしていて柔らかかった。




“ははっ、リオナ。コイツの名前は弟じゃねえよ”


“そうなの?”


“そう言えば鯉伴さん。
この子の名前、決めてるんですか?”


“嗚呼、もうずっと前から決めてある。
こいつの名前は_________”

私の力→



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作者名:kumakarin0110 | 作成日時:2020年7月7日 22時

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