続 ページ44
貴女side
「やれやれ…。危ないじゃあないか。」
気付いた時には私の顔は先程よりも彼の近くにあった。一体何が…!?抱えられている…?あの一瞬で私を抱えて炎熱を軽やかに躱したというのか!?それも抱きかかえられた私が気付くことも敵わぬ程に速く、静か、に。ぞわり。背中にうぞうぞと蟲でも這ったかのような感覚に陥った。初めてだ。初めて……初めてこの男に対して恐ろしさを抱いた。そこが見えない。得体がしれない。
「大丈夫かい?A。怖がらせてしまったね…。」
私を映す凍てついた双眸と、聞けば脳の髄までとけてしまいそうな熱を持った声。おまけに吐息がかかるまで近いと来たものだから、心臓が大きく波打った。血液の流れは加速を辿るばかりで、私は目眩のようなものを覚える。
『っあ、はい。あ、ありがとう、ございます。』
顔が、見れない。居たたまれなり、尻すぼみしてしまった言葉。それでも彼は拾ったようだ。だが何も返ってこないので、彼に視線を向けてみると。何を思ったのか彼は呆けた顔をしていた。……様に成るのがムカつく。
『……あの、なにか。』
「…嗚呼、すまない。まさかお礼を言われるとは思わなくてね。っと。」
カラマツさんは私の重さを感じないとでもいうように、まるでダンスでも踊っているような軽快なステップで氷結による攻撃をかわしてみせた。氷結と炎。この二つには私は見覚えがあった。いや、見覚えなんて言葉じゃすまされない程に脳裏に焼き付いている。この個性は、彼の――――。
「そいつの言う通りだ、A。」
氷柱を思わせるほどの鋭く攻撃的な声が、静かな空気を震わせた。彼は左手に轟轟燃え滾る炎を纏い、臨戦態勢についたまま、こちらを睨みつけた。それは、きっと彼と一緒にいる私にも向けられている。どちらが味方なのか、分からなくなるほどに、彼の瞳は冷え切っていた。こんなことを思うのは彼に対して失礼だろうが、その視線は
「…ごめんよ、俺の女神様。」
優しげな笑みを浮かべ、私を地面にゆっくりと降ろしてくれた彼。私の身体がまだ震えているのを知ってか否か、肩を抱いて支えてくれた。
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カービィ - ツイステでレオナさんできますか? (2021年9月10日 13時) (レス) id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
カービィ - ツイステでレオナさんできますか? (2021年9月10日 13時) (レス) id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
yui - すいませーん…BLEACHの浦原さんって大丈夫ですか? (2019年11月25日 1時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 黒バスで花宮真お願いします!! (2019年10月26日 2時) (レス) id: 52964e3ed7 (このIDを非表示/違反報告)
みかんうさぎ - ナンバカのキジさんお願いします! (2018年11月27日 20時) (レス) id: 45da41e693 (このIDを非表示/違反報告)
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