となりのプリンス ( 2 ) (ページ4)

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かずくんから離れられなくて、しばらく固まったまま。また変なこと言っちゃったって悔やむ気持ちと、どこかすっきりとした満足の気持ちが、半分ずつ混ざりあった複雑な感情。

和也「いつまで後ろでぐずぐずしてんの」

窮屈な体勢で頭をぽんぽんして、ジュース選ばないの？って背中に張りついたままのどうしようもないわたしへ声をかける。さっき、子ども扱いがいやだって言ったけど、わたしの言動が子ども同然だとしたら悪いのは自分だ。前言撤回します……ごめんね。

和也「ガキの頃よりも随分かわいいこと言うようになって」

「へ？」

和也「ほんと……急に成長しちゃったな。」

わしゃわしゃ～って子犬を可愛がるように頭を撫で回される。たまらず顔を上げると、当たり前だけどだいすきな人がそこにいて「やっと顔見えた」って笑顔でほっぺを包んでくれた。

「かずくんに彼女ができたらちゃんと諦めるから…… 」

和也「嘘つけ。」

「ほんとだよ！がんばって諦めるから、」

体を向かいあわせにすると、かずくんの身長がいつもより高く見えた。

和也「ふーん、じゃあ彼女なんていらないわ」

いたって冷静な彼は、わたしに数学よりもむずかしい大きな問題を与える。言葉の真意にはやく気づいてと言わんばかりの、いじわるな表情をしながら……。

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