魔法薬学教授の部屋３ (ページ10)

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婚約の条件ページ10

(校長室)

「まず１つ目じゃが、君たちには節度ある交際を求める。常に見られていると意識して行動するのじゃ。２つ目は、セブルス、Aを自室に入れてはならぬ。今までは人目を避けていたから黙認していたが、交際が明るみに出た今、君の自室にAを入れることは君たちの評価を落とすと知れ。…それからA、キッチンを使いたいときはマクゴナガル教授がお貸ししてくださるそうじゃ。」

ダンブルドア校長は、パチンとウインクをした。

「セブルス、もう人目を避けてAと会う必要はないのじゃ。堂々と、陽の光の下で会えばよい。そのための婚約じゃ。それから、今後のAの保護者じゃが、マクゴナガル教授が引き受けることとなった。…これは、君たちの婚約に当たって、どうしても譲れないとマクゴナガル教授たっての希望じゃ」

校長はにっこりと笑って締めくくった。

「わしの話は以上じゃ。…今頃、城中が君たちの婚約の話でもちきりじゃろうて。健闘を祈っておるぞ。…ああ、セブルス、手がすいたら、また校長室へ来ておくれ。話があるでのう」

「承知しました。…失礼」

「失礼します」

２人は、パタン、と校長室の扉を閉め、ふうっとため息をつき顔を見合わせた。

(セブと婚約なんて…夢みたい…)

「そうだな。‥‥夢かどうか確かめてやろうか…？」

にやりとセブルスが笑って、Aの頬をふにっとつまんだ。

「いひゃい(痛い)…！」

と涙目になるAを見て、セブルスは

「どうやら夢ではないらしい」

と、くつくつと笑った。

「私の頬で確かめなくても…！」

と顔を赤らめて怒るAに、

「その顔で怒られてもな」

とセブルスがくくっと笑った。

「行くぞ、A。…気が進まんが、大広間に行かないと後々面倒だ」

「…そうね。…しばらく気を張らないと」

２人は、何を聞かれるかを想定し話し合いながら、大広間に向かって歩き出した。

＊＊＊＊＊

(大広間)

セブルスはそっとAの肩を抱き、ソフィアの隣の席までエスコートした。

それがあまりにも自然で優雅だったため、誰もが見惚れ、２人が婚約したのが事実だと裏付けるのに十分だった。

セブルスがAに「また後でな」と囁き、教授席へと向かうと、そっとソフィアがAに声をかけた。

「部屋についたら、詳しく聞かせて」

Aは、こくんと頷いて、ささっと食事を済ませた。