魔法薬学教授の部屋３ (ページ39)

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クリスマス休暇２ページ39

(スピナーズ･エンド)

「何……？」

セブルスは眉をひそめた。

「だから。お風呂入ろっ。私たち、煤だらけだし。それに私、セブの髪を洗ってみたかったんだ」

とにっこりと言うと、セブルスは真っ赤になった。

「……一緒に入るのか……？」

「一緒に入らないと洗えないでしょ？」

Aは、何かをぶつぶつと呟いているセブルスをほっといて、お風呂の支度に向かった。

(数分後)

「支度できたよ～」

Aがリビングに戻ると、セブルスはまだ何かをぶつぶつと呟いていた。

「もう往生際が悪いわね」

Aは、セブルスを後ろから抱きかかえて浴室に向かった。

Aは手際よくセブルスを上半身裸にし、バスタオルを自分とセブルスの間に広げた。

「こうすると見えないでしょ？でも、一応目をつぶっておくね」

Aは、セブルスが脱いでいる間、目をつぶって待った。

「いいぞ」

という声でAは目を開け、セブルスをバスタオルで巻いた。

「セブ、身体を洗い終わったら教えて。私は洗面所で顔を洗ってるから」

Aの言葉に、セブルスは少しほっとしたように「わかった」と言って、浴室に入った。

Aは、先ほどちらりと見えたセブルスの左腕を思い出し、胸が痛んだ。

(やっぱり見られたくないよね……)

薄くなっているとはいえ、“それ”は消えてはいなかった。

Aが顔を洗っていると、セブルスが呼ぶ声がした。

「今、行くね。寒いからバスタブに入ってて」

Aは、身体に大判のバスタオルを巻いて中に入ると、セブルスは律儀に入り口に背を向けて待っていた。

Aがくすっと笑って、

「おまたせ」

と言うと、セブルスは

「ああ」

と、そっけなく言ってタオルを腰に巻き、バスタブから出た。

Aは、セブルスの顔を上に向かせ、顔にお湯がかからないように、優しくシャワーで汚れを落とした。シャンプーを泡立て、さらに優しく頭を洗うと、セブルスは気持ちよさそうに微笑んだ。

(セブ、可愛い)

思わず微笑んだAの心の声が聞こえたのか、セブルスにぎろりと睨まれた。

Aは素知らぬ顔で

「泡を流すから、目をつぶってて」

と言い、泡をシャワーで綺麗に流した。

「おしまい」

Aは、セブルスの頭を近くに置いていたタオルで優しく水気を拭きとり、気づかれないように洗い流さないトリートメントを少量つけた。

「じゃ、セブ。先に上がって」

Aが濡れていないバスタオルでセブルスをくるんだ。