魔法薬学教授の部屋３ (ページ30)

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Happy Halloween～黒猫１～ページ30

(スリザリン寮自室)

「ようやく帰ってきた。……どこ行ってたの？」

ソフィアが吸血鬼の衣装を身にまとい、メーキャップをしながらAに聞いた。

「……教授の罰則を受けてた……」

Aは、ぼすっとベッドにダイブして「……疲れた」と呟いた。

「何の罰則？」

「天文塔に行ったから、強化薬についての考察を書いてた」

と言うAに、ソフィアが

「……はぁ？強化薬って随分上の学年じゃない。……教授の鞭は容赦ないわね」

と嘆息した。

「……ところで。A、談話室で噂になってたわ。あなたがベラトリックスに似てるって」

唐突にソフィアが言った。

「え？……そんなに似てる……？」

ベッドに寝っ転がったまま聞くAを見て、ソフィアは苦笑した。

「特徴だけ見ればね。……ブラック家は、ウエーブがかった黒髪、白い肌、そして整った顔立ちが多いの。Aもそうでしょ？」

雰囲気は真逆だけどね、とソフィアは笑った。

「……そんなことより、もうすぐハロウィーンパーティが始まるわよ？」

ソフィアの声に、Aは

「そうだった！！」

と、がばっと起き上がって、ふとサイドテーブルを見ると小瓶があった。

「ソフィア、これ何？」

Aが小瓶を持ち上げてソフィアに聞いた。

「あぁ。それ、ゾンコの試作品よ。ハロウィーン限定商品で黒猫になれるっていうから、ちょっともらってきたの。うち、スポンサーだから。A、黒猫の仮装をするんでしょ？」

「うん。試してもいい？」

「どうぞ。………あ。全部飲んじゃダメ…」

ソフィアが言ったが、時すでに遅し。Aは全て飲み干した後だった。みるみるうちにAの身体が縮み、美しい黒猫になった。

「にゃ？」

Aのヒトとしての意識はしっかりとある。身体は猫だけど。

「まあ！A、すっごく綺麗な猫になったわ。……でも、このままじゃパーティは無理ね…。教授にお願いして助けてもらいましょ」

ソフィアは、優しくAを抱っこしてセブルスの研究室に向かった。

コンコンコン

「入りたまえ」

「失礼いたします」

ソフィアは、猫のAを抱っこして研究室に入った。

「何の用だ」

カリカリと羽ペンを走らせながら聞くセブルスに、ソフィアが

「あの、Aのことなんですけれど……」

と、物凄く言いづらそうに切り出した。

Aと聞いてセブルスが手を止め、すっと黒猫を見た。