魔法薬学教授の部屋３ (ページ26)

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アクシオ！ページ26

(魔法薬学研究室)

「…はい‥、教授」

がっくりとうなだれるAに、セブルスは続けた。

「…罰則は、強化薬に関する考察を羊皮紙２巻き分だ。‥‥朝食を食べたらすぐに取りかからんとハロウィーンパーティに間に合わんぞ？」

にやっと笑って、セブルスはテーブルに２人分の朝食を用意した。

(２巻き…？！…今、７時過ぎだから夕方５時まで約１０時間…。間に合うかしら…？)

若干、頭を抱えながらAは、恐る恐るセブルスに聞いた。

「あの、教授…。私、教科書も何もないので、図書館で調べても構いませんか？」

「教科書なら、その戸棚の中にある。…できるまで、ここから出るなよ？」

と軽く一蹴し、手洗いは吾輩の部屋のを使うといい、と付け加え、セブルスは優雅に紅茶を飲んだ。

(…強化薬って、たしか中級レベル以上の魔法薬…！考察だから、教科書丸写しじゃだめってことね。…とにかく、早く食べないと)

Aは、パンとオレンジジュースで簡単に食事を済ませ、戸棚に向かった。

戸棚の中には、古い魔法薬学の教科書が雑多に積み上がっていた。

(もしかして、この中に半純血のプリンス蔵書って書かれている教科書があるかも…。でも、今見つけても、セブの前で見れないし…。)

Aは、取りあえず一番上の教科書に手を伸ばし、強化薬が載っているかを確認した。

(これでいいかな。…本当は、セブが持ってる魔法薬学の図鑑がいいんだけど。あれなら、もうちょっと詳しく書いているしね。‥‥アクシオで来るかな…？)

そっとセブルスのほうをうかがうと、セブルスはたくさんの羊皮紙に向かって作業をしていた。

(採点してるのかな…？じゃ、無言呪文で試してみよっ♪)

(アクシオ、魔法薬学の図鑑！)

Aはきゅっと杖を握り、セブルスの魔法薬学の図鑑を思い浮かべ、命じた。

(来い！！)

バタン、と大きな音がして、セブルスの部屋から図鑑が飛んできて、Aの顔にクリーンヒットした。

ドンと派手な音を立てて尻餅をついたAを、セブルスが肩を震わせて声を出さずに笑っていた。

図鑑はAの顔に張り付いたまま、思わず両手で押さえたので無事だった。

(…成功したけど…、かなり痛いし恥ずかしい…)

そっと図鑑を胸に抱えてセブルスのほうを見ると。

「…全く。Aは見ていて飽きんな」

セブルスがくつくつと笑いながら、尻餅をついたままのAを見下ろした。