魔法薬学教授の部屋３ (ページ1)

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２年生ページ1

新学期になった。

Aは相変わらずソフィアと美女軍団に囲まれての生活だったが、トム・ノットともソフィアと一緒に話すようになっていた。といっても、主にソフィアとトムの話をAは聞いているだけということが多いのだが、それでも嬉しそうに話すソフィアとトムをにこにこと見ているのが好きだった。

それから、新入生の中にビル・ウィーズリーがいた。

組分けのときに、

(あれが、ロンのお兄さんなのね。…随分と可愛い感じ…。これからかっこよくなるのかな…？)

と見つめていると、隣にいたソフィアに

「ね。Aはああいう可愛い男の子がタイプなの？…ずっと見つめてるみたいだけど♪」

と囁かれた。

「え？…あ、そんなんじゃないよ」

と否定すると、

「そう？……あんまり見てると誤解されるわよ…」

ソフィアの言葉にそっと教授席を見ると、ものすごく怖い顔のセブルスと目が合って。思わず、速攻で目をそらした。

「いつから、あんなに怖い顔してたの…？」

Aがこっそりソフィアに聞くと、

「教授の顔は元々怖いけど、黒いオーラが出始めたのは多分Aが見つめ続けてるあたりからよ？」

思わずため息をつくAに、ソフィアは「愛されてるわね♪」とニコニコと言い放った。

＊＊＊＊＊

そのせいなのか何なのか、Aは今学期のセブルスの授業で理不尽な扱いを受けるようになった。

ほかの生徒の失敗もAのせいになり、失敗しないようにアドバイスをすれば私語を慎めと叱責され、点数が引かれることはなかったが、毎回何かしらで叱責されることにうんざりしていた。

当然セブルスの部屋を訪れる気にもなれず、Aは図書館で過ごすことが多くなっていた。目的は、指輪の対処法。完全に遮断すれば心を読まれないのはわかったが、常に閉心術を使うのは辛かった。こちらの世界では、常に無表情でいることも笑顔を張り付けることも、できればしたくなかった。

(…対処法を見つけないと…。だけど、指輪を大事に思うからこそリンクしてるんだと思うのよね。…どうしたらいいんだろ…)

Aは最近のセブルスの態度を思い出し、今ならセブに対して閉心術を常に使うことも辛くないと思った。…思ったのに、涙があふれて止まらなかった。

(どうしよう…止まらない…)

拭っても拭ってもあふれる涙に、Aは、とうとうメガネを外した。

「大丈夫？」

振り向くと、ビルが立っていた。