魔法薬学教授の部屋２ (ページ44)

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危機ページ44

(セブルス自室)

「そうだな…。Aのおかげでいい誕生日を迎えられた。感謝する」

セブルスはそっとAを抱きしめた。

「Aの誕生日のお祝いもせねばな。…いつだ？」

「え？…えっと、来月の２１日よ」

「欲しいものはあるか？」

「ん～。…あ！バラの花束が欲しい。花びらでバラの香水を作ってみたいから。…一日飾った後に、むしってもいい…？」

Aが不安そうに言うと、セブルスは

「くくっ。なかなかユニークな発想だ。で、どうやって作るつもりだ？」

と言うので

「ハナハッカ・エキスの作り方を教えてくれたでしょ？同じようにバラのエキスを抽出して、無水エタノールと精製水を加えるといいんじゃないかと思って」

と答えた。

「理論としては悪くない。…では、Aの誕生日にバラの花束を贈ろう」

セブルスは、Aの頬に口付けをした。

＊＊＊＊＊

(スリザリン寮自室)

「A、おはよう」

ソフィアが、にっこり笑った後に声をひそめて言った。

「………昨日、温室に行った？」

「？…何で知ってるの？？」

Aの答えに、ソフィアはため息をついて言った。

「噂になってるの。…スネイプ教授が美少女の手をひいて温室のほうに歩いて行ったって」

「え？…誰にも会わなかったと思うけど…」

「甘いわね、A。昨日、グリフィンドールがクィディッチの朝練をしてたそうよ。…つまり、見られてたのは上空から」

「温室とクィディッチ競技場は離れてると思うけど？」

「上空から姿が見えたから尾けたんじゃない？すごく仲良しに見えたそうだから。…幸い、まだその美少女がAだとは私以外誰も気づいていないと思うわ」

「…‥どうしよう。教授に迷惑がかかるかな…？」

「とにかく、もう少し気を付けるのね。…この会話、スネイプ教授にも聞こえてる？」

「ううん、いろいろあって音声は拾わないって約束してもらったの」

「そう。…まだ早いけど、大広間に行くわよ。この時間なら人も少ないわ。一応、美女軍団にも声をかけましょ」

ソフィアはそう言って、

「大丈夫よ。私たちがついてるわ」

と、にっこり笑った。