魔法薬学教授の部屋２ (ページ41)

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誕生日８ページ41

(セブルス自室)

「さて、A。…説明してもらおうか」

セブルスがいつのまにかAのメガネを持って、黒い微笑みを浮かべていた。

Aは、少しだけ頬を引きつらせて答えた。

「何を？」

「吾輩に発信機をつけて、お前のこのメガネで受信するのだろう？…吾輩は、そのやり方を聞いているのだが？」

(‥‥バレてる‥‥)

Aは、ふうっと息をついて答えた。

「メガネにインスコーパム・トラック(対象を追跡せよ)、ブラックオニキスにミッテ・ロコ(位置を発信せよ)と魔法をかけたわ。後は、よくわからないけど、つながったから…」

「ほう。目的に即した簡潔な呪文だ。…スリザリンに５点やろう」

「ね、セブ。私が言うのもなんだけど、そんなに点数ってほいほいあげてもいいの？」

「構わん。全ては教授の裁量次第。…それに、生徒が自由課題に自主的に取り組みクリアしたのだ。何の問題もなかろう？」

と、片眉を上げて言うと、Aは首をすくめた。

「自由課題、ね。…ま、いいわ。」

Aは、にこっと笑って聞いた。

「来月のバレンタインデーにお部屋のキッチンを借りてもいい？」

「構わんが、何かつくるのか？」

「うんっ。セブは、チョコレートトリュフ好き？…あ。私が作るのは全部チョコじゃなくて、外側だけコーティングしているんだけど…」

と言うと、

「ああ。Aが作るなら、何でも構わん」

と、セブルスに抱き寄せられた。

「セブ？」

「卒業したら…、心だけでなくAの身体も吾輩のものにして構わないか…？」

(…えっと、それって…抱いてもいいかってこと…？)

真っ赤になった顔を上げると、真剣な目のセブルスと目が合った。

「だが、Aの純潔を吾輩が奪えば、恐らく２度と元の世界には戻れない。…よく考えろ。吾輩は…Aの意思を尊重する」

セブルスは言葉をなくしたAを優しく抱きしめ、

「さあ、夕飯の時間だ。…卒業までは、口付け以上のことはしないから安心しろ」

と、Aの頬にキスをした。

「は・・い‥」

(どうしよう‥‥。どきどきが止まらない。いつもよりセブのこと意識しちゃうよ…)

Aはセブルスと一緒に夕飯を食べたが、味はよく分からなかった。

そんなAを見かねて、「食事が終わったら、本を読んでやろうか？」と声をかけた。

「え？いいの？」

ぱっと顔を輝かせるAに、セブルスは優しい顔で微笑んだ。