魔法薬学教授の部屋２ (ページ40)

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誕生日７～プレゼント～ページ40

(セブルス自室)

だが、とセブルスはその欲望に蓋をした。

(Aは、どう見てもまだ幼い。…今はまだ親子のような、兄妹のような関係で満足せねばな…。)

ふ、と笑うと、Aが「おいし…？」と不安気に聞いてきたので、セブルスもフォークでケーキを一口サイズにして差し出した。

「ああ、好みの味だ。…ほら、Aも食べてみろ」

Aはおずおずと口を開け、はむっと食べた。

「よかった‥！上手にできてた」

二人は、それからケーキを仲良く食べさせ合った。

＊＊＊＊＊

(いけない。プレゼントも渡さなきゃ…！)

Aが黒のエナメルバッグを開けると、皮袋が２つ入っていた。

(？)

「ね、セブ。…私のバッグに皮袋を入れた？」と聞くと、

「ああ。…これから毎月、小遣いをその皮袋に入れることにした。入り用なものがあれば使うといい」

と、優雅に紅茶を飲みながらセブルスが答えた。

Aは申しわけないな、と一瞬思ったが、ふるふると首を振り

「ありがとう、セブ」

と、にっこり笑った。気持ちよく受け取ったほうがいいときもあるのだ。

「礼には及ばん」

と、眉毛をくっと上げてセブルスが答えた。

(…その仕草も、照れたような顔も好き。全部好き…、セブ)

Aはブラックオニキスが入った皮袋を持って、そっとセブルスに近づいて頬にキスをした。

「誕生日おめでとう、セブ。…はい、プレゼント」

セブの襟元につけてもいい？と囁くと、約束だからなと、セブルスがにやりと笑った。

セブルスの襟元でブラックオニキスがきらりと光った。

(この指輪と通信できればいいのに…)

「なるほど。…それならば…」

セブルスは、ブラックオニキスと指輪を魔法でつないだ。

(それじゃだめ。心で思ったことも全部つながっちゃうよ？)

(なに？)

「・・・・・。」

「・・・・・。」

セブルスは「悪かった」と呟いて、位置情報受発信機能付きの通信機に指輪を設定した。(つまり、指輪型電話)。そして、ブラックオニキスに通信システムを搭載した。(宝石型電話)

「すごい！これで、セブといつでも会話できるね。あ。ってことは、もう心の声が聞こえなくなるんじゃない？」

「そうかもな。…ああ、A。薄い膜をとらんと吾輩と内緒話はできんぞ？」

「そうね。…フィニート(終われ)」

(これで、セブに”おはよう”と”おやすみ”が言えるわ)

Aは幸せそうに微笑んだ。