魔法薬学教授の部屋２ (ページ30)

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幼馴染ページ30

(スリザリン寮談話室)

ソフィアが美女軍団とともに談話室に入ると、入り口近くのソファに座っていたトム・ノットと目が合った。

ソフィアはすっと目をそらし女子寮のほうに向かおうとしたが、それをトムが呼び止めた。

「ソフィア、Aって大体何時に帰ってくるんだ？」

「それを聞いてどうするつもり？」

ソフィアは、質問を質問で返した。

「…お礼を言おうと思ってさ」

と、気恥ずかしそうに答えるトムに、ソフィアはくすっと笑った。

「そういうところ、変わってないね」

ソフィアは美女軍団にお休みを告げて、トムの隣に座った。

「いいのか…？・・・僕の隣に座ったら、君も…」

と言いかけたトムに、ソフィアはにこっと笑った。

「あなたが昔のトムのままだったから。…幼馴染の隣に座るのがそんなにおかしいかしら？」

「だけど、僕の父は…」

と言いかけたトムに、ソフィアは

「そうね。そのせいで、私の家はあなたの家とのかかわりを絶ったわ。…あなたも死喰い人になる予定なの？」

と小声で聞いた。

トムは

「まさか。・・・僕は父とは違う」

と、きっぱりと答えた。

「なら、何の問題もないわ。…一緒に、Aを待ちましょう」

ソフィアとトムは、しばらく会わなかった日々を埋めるかのように話をした。それは、本当に他愛もない、全くどうでもいい話題ばかりだったが、２人には、少なくともトムには楽しい時間だった。

「…そういえば、Aってスネイプに気に入られてるのか？」

トムがふとさっきのセブルスの睨みを思い出して聞くと、

「ああ。…あれは気に入られてるというよりは、護られているといったほうがいいわね」

「護る？！・・・あのスネイプが？」

「ええ。…もしもトムがAを好きなら、かなりの覚悟が必要よ？」

と、くすくす笑うソフィアに、トムは

「そんなんじゃないよ。…僕はほかに…」

と言いかけて、やめた。

「そう？・・・まぁ、Aはスネイプ教授しか見えてないから、どのみち難しいけどね」

と言うソフィアに、トムが目を見開いて

「それは…かなり、何ていうか…趣味悪すぎないか？」

と、言葉を選んだ割にはド直球な物言いをした。

「それは、否定しないわ」とソフィアは笑って、

(・・・A遅いわね。１０時過ぎたわよ…。まさか、朝帰りじゃないでしょうね)

と、気をもんでいた。