魔法薬学教授の部屋２ (ページ27)

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視線ページ27

(１月８日/大広間)

夕飯を食べ終わり、美女軍団の皆と談笑していると

「ね。今日は８時に教授の部屋に行くのよね？…プレゼント、持っていくんでしょ？」

と、ソフィアに小声で聞かれ、Aは赤い顔でこくんと頷いた。

それから、そっと教授席に座っているセブルスのほうを見ると目が合って。

くいっとセブルスが首を扉のほうに向けた。

(一緒に行くぞってこと…かな？)

Aはソフィアにそっと「教授が呼んでるから、先に行くね」と言って席を離れた。

大広間の扉に向かうと既にセブルスが立っていて、ぎろりとAの後ろを睨んでいた。

「スネイプ教授、お待たせしました」

と言った後に、小声で「どうしたの？」と聞くと、「なに、虫をはらっていただけだ」と返された。

(？・・・虫って睨むといなくなるものだっけ？？)

セブルスは、頭に？マークを浮かべているAの肩にそっと手を置き、一緒に大広間を出た。

「行くぞ、A。在庫確認の手伝いをしてくれるのだろう？」

と言うセブルスに、Aは「はい」とにっこりと笑った。

・・・その二人の後ろ姿を、一人の男子生徒が見つめていた。

去年の１２月、逆さづりにされていたトム・ノットは、助けてくれたお礼をAに言う機会がなかなか見つからず、ようやく一人になりそうだったAの後を追ったのだが、セブルスの睨みにあい、断念したのだった。

(Aは、今日罰則をくらったんだったな。…談話室で待っていよう)

トムは、スリザリン寮の談話室でAの帰りを待つことにした。

(セブルス自室)

あっという間に薬品庫の在庫チェックが終了し、セブルスとAは仲良くお茶をのんでいた。

「お前がいると、作業がはかどるな。…卒業後はどうする？」

と聞くセブルスに、Aは

「私、ホグワーツを出るつもりはないから、セブの助手にしてもらおうかな」

と、にこにこして言うと、

「そうか。‥‥いつまで…、いや、何でもない」

セブルスは、いつまでこの世界にいるつもりか、と聞こうとしてやめた。Aのいなくなった世界などもう考えられなくなっていたセブルスだが、Aが帰りたければ、それを止める権利はないと思った。

「いつまで？・・・そうね…。ざっと２０年近くかしら？」

とAがセブルスの意図を汲んで答えると、セブルスは

「そうか」

と、嬉しそうに微笑んだので、Aは思わず見とれた。