魔法薬学教授の部屋２ (ページ24)

今日:20 hit、昨日:10 hit、合計:244,713 hit

探索メガネページ24

(次の日/スリザリン寮自室)

昼食を食べ終わって自室に戻ると、ソフィアが小声で「手袋をつけて」と囁いた。

こくんとAはうなずいて、手袋をつけると。

「A、はい。」

ソフィアは、にこにこしながらAに小さな包みを手渡した。

「母から届いたの。…急いで作らないと、ね？」

パチンとウインクをするソフィアに、Aが

「ありがとう、ソフィア。…あ。お金…」

と言いかけると、

「母の手紙に、必要ないって書かれてたわ。…紅茶が特別美味しかったからって。だから、気にしないで」

と、ソフィアは、にっこりと笑った。

「ありがとう。…ソフィアのお母さんにも伝えてくれる？」

と言うと、「もちろんよ」とソフィアが笑った。

「じゃ、私は談話室にいるわ。私がいると気が散るでしょ？」

と微笑んで、ソフィアは部屋を出て行った。

その背中に、もう一度「ありがとう」とお礼を言って。

Aは手袋をつけたまま、まずブラックオニキスに金具を取り付ける作業に取り掛かった。

(えっと、くっつける呪文は…)

「アドエレント(くっつけ)」

(・・・成功した・・・？)

(じゃ、これはとりあえずサイドテーブルに置いて・・・と。)

(次は、私のメガネね)

「インスコーパム・トラック(対象を追跡せよ)」

パチンと音がして、メガネが一瞬光った。

(…大丈夫かな…？)

Aは、ふうと一度深呼吸をして、サイドテーブルに置いたブラックオニキスに呪文を放った。

「ミッテ・ロコ(位置を発信せよ)」

それからAは、おもむろにメガネをかけた。

(・・・？…失敗したかな…)

メガネには何も映らなかった。

Aは『これが対象』とブラックオニキスを見つめ、念じながら、メガネの左のつるをつかんだ。

ピッ、と小さな音がして、対象が赤いレーザーのような点で表示された。

(やった！！！！)

(あとは、どこまで表示されるかの確認ね。)

Aはブラックオニキスを皮袋に入れ、サイドテーブルの引き出しにしまった。

それから約５日間、Aはいつものように美女軍団と教室を移動しながら、何気ないふうを装い見える範囲を確認してまわった。

遠くなりすぎると画面に映らなくなったので、左のつるをを縮小、右のつるを拡大に切り替える仕様を加えた。

「我ながら、上出来♪」

Aはにんまりと笑ってソフィアに報告すると、「本当に、似た者同士ね」と嘆息された。