魔法薬学教授の部屋２ (ページ17)

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プチ反撃ページ17

(クリスマス休暇最終日/セブルスのベッドの上)

昼食が終わり、Aはまたベッドに寝かされていた。

(・・・・長かった・・・・。)

(覚悟なんて必要ないなんて言ってた私が、いかに甘かったかを思い知らされた…。)

結局、毎日３食すべてセブの膝にのせられ、スプーンで食べさせられ、最後は口移しで薬を飲ませられる。それも、あと１回で終わる…。

(セブったら「いい加減慣れろ」ですって？・・・・慣れるか～～～～～っ！！！)

Aは、心の中で思いっきり叫んだ。

そう。口に出して言うと、なぜかセブルスに筒抜けだから。

(怪しいのは・・・・)

Aは、うつ伏せになって左手の小指にはめられた指輪を見た。

(これ・・・よね、多分。…どういう仕組みなんだろ…。音声も拾えて、恐らくは位置情報も…。・・・溺愛されてる・・か・・。ソフィア、大正解だよ…。)

ふ～っとため息をつき、Aは、はたと気づいた。

(あの『どんがらがっしゃーん』は、私が呟いた『セブ、大好き』に反応したんだ…！)

(ふふん、反撃開始よっ！！)

Aはにやりと笑って、指輪に囁いた。

「セブ、大好き」

少し離れたところで本を整理していたセブルスが、どさっと本を落とした。

(…動揺してる、動揺してる…。)

(わざとやっているのを悟られないようにしないと・・・。)

Aは精一杯の愛と、少しの意地悪をのせて指輪に囁いた。
前に、口に出せなかった言葉を。

「愛してる、セブ」

バサバサバサッと、今度は書類が散乱した。

「大丈夫？」

と、セブルスのほうを見ると、少し赤い顔をしたセブルスが口元を抑えて散乱した書類を片付けていた。

(・・・やりすぎちゃったかな・・？)

Aは、セブルスの動揺に気づかないふりをして目をつぶった。

(薬のせいか、すぐ・・眠く・なる・・よ・・ね)

Aの瞼が重くなり、あっという間に眠りの淵に沈んでいった。

すー、すー、という寝息が聞こえ、セブルスはAの枕元にやってきた。

(あどけない顔をして・・)

ちゅと、Aの額にかかった髪を寄せて口付けた。

「愛している、A」

それから、そっとAの唇にキスを落とした。

(明日からは、また別々の部屋になるな・・・)

セブルスは(寂しくなるな…)という気持ちを、(吾輩らしくもない)という言葉で覆いつくした。