暗闇 ページ30
sideあなた
バンッと会場が暗闇に包まれると、わっ！て驚いて思わず小さな声をあげてしまって
恥ずかしくて。肩をすくめると。
マサイ「Aさん。こっち。」
シーって指を立てながら、イタズラに笑うマサイくんに手を引かれ会場の隅に。
新郎新婦の隣にスクリーンが降りてきて、暖かい光で映像か流れ出す。
小さな頃の写真や動画。それから、新郎新郎からのメッセージ。
今日来て下さった皆さんにありがとう、を。
マサイ「これね、編集。俺がちょこっと手伝ってんの」
ひそひそと、声のボリュームを抑え話すと顔が近くなる。今日はヒールを履いてる分余計に近い気がした。
「そうなんだ。なんだか、あったかくて。いいね。」
マサイ「うん。本当に。」
「ふふ。自画自賛？でも、本当に素敵。」
思わず、見上げたマサイくんの顔は誇らしげで、晴れやかで。
ちょこっと、なんて言うけど。たぶん、動画撮影、編集のあの忙しい合間を縫って友だちの為に、頑張ったんだろうな…
そう、思ったら
「マサイくん、お疲れ様でした」
マサイ「え？」
なんだか、すごく褒めたくなって。
手を伸ばせば届く距離の頭を撫でていた。
マサイ「…えーっと、Aさん？これ、めっちゃ照れんだけど」
「だよね。でも、ちょっとだけ！」
なんて。尚も撫でてあげると顔をほんのり色づかせるから、可愛いな。って年下だけど。大人な男の人なのに、思っちゃうのは日頃、陸と海の相手をしているからなのかな。
そんな事をしてる間に動画は終わっていて会場が明るくなっていた。
「マサイ〜？お前、彼女いないっていったじゃん。何じゃれついてんだよー」
マサイ「なんだよ。大地。お前、もう酔ってんの？」
やってきたのは、ほろ酔いの男の人。多分、マサイくんのお友達。
「ども！マサイの彼女さん。初めまして、田中大地っていいます！」
「初めまして。小川Aです。でも、マサイくんの彼女ではないですよ。」
挨拶すると、え？そうなの？って驚くと同時にあ、やべぇ。気持ち悪。って顔色が悪くなる。
これはもしかしなくても、吐いちゃう？
「大丈夫ですか？水もらってきましょうか？それとも、あっち椅子座りますか？」
前かがみのお友達を覗き込むと、
「やべぇ。ここに天使がいる。」
「え？」
何故か、両手をギュッと握りしめられた。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まひろ(プロフ) - かなとさん» コメントありがとうございます。すいません。外すのを忘れてました。ご指摘感謝します。 (2019年10月19日 11時) (
レス) id: 5f80a217b3 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の注意文をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です。ご本人様方にも迷惑がかかります。ルールというものをちゃんとご確認下さい (2019年10月19日 8時) (レス) id: fca7c03b31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
