第103話 ページ10
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「知り合い?」
グリーンが復唱すると、カトレアは「ええ」と頷いた。
「もともと同僚だった人なんだけど……ある日を境に急に辞めちゃってね」
「同僚ってことはイッシュの四天王か」
「ええ……リーグどころかイッシュからもいなくなってしまって、どうなったのか気になっていたのだけど、このアローラにいるっていう噂を聞いて、確かめに来たのよ」
「ははー……Aは知ってるか?そのイッシュから来たやつ」
「いえ、わからないですね……少なくともこのメレメレ島にいるわけではないと思います」
「そうか」
「まあ、ゆっくり探すわ……見つけたところでイッシュに連れ戻すわけでもないし」
カトレアは再び「ふああ……」と欠伸を一つ。
「とりあえず、荷物を置きにホテルに行きたいわ」
「あ、そうですよね。皆さんホテルはどこでしょうか」
「アタクシは……『ハノハノリゾートホテル』ね、オーシャンビューのお部屋よ」
「ハノハノリゾートホテルのオーシャンビュー!?えっ、カトレアちゃん、ちなみに何泊……?」
「一週間。ついでにシロナさんのお部屋も取ってあるわ」
「一週間、ハノハノリゾートホテルに二人分……!?」
くらり、と軽い眩暈を起こしかけバランスを崩すAを「おいおい大丈夫か」とグリーンが支える。
「あ、すみません、規模が……大きすぎて……」
「そんなにすごいのか、そのハノハノリゾートホテルってのは」
「はい……」
よいしょ、と自立を立て直し、Aはハノハノリゾートホテルについて軽く説明する。
「ハノハノリゾートホテルはアローラ屈指のリゾートホテルでして……リゾートホテルだけあってお値段は跳ね上がるのに予約は1年先まで満杯というスペシャルなホテルなんです……」
「え……ってことはカトレアってもしかして……」
「はい……もしかしなくても……」
「「めちゃくちゃお金持ち……?」」
グリーンとAの発言を聞いたシロナが「すごーい!」とパチパチ拍手をしている。
「二人とも大正解よ!カトレアは専属の執事さんがいるくらいのお嬢様なの」
「「執事ー!?」」
「その執事さんは今日は来てないんだけどね」
「なるほど、そこまでお金持ちならハノハノリゾートホテルをぽーんと一週間分予約するのも躊躇いなくってところですか……」
納得はしたが、遠い世界のお話なので現実味は無いのが実情である。
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作者名:リトルポム | 作成日時:2022年8月3日 23時