第101話 ページ8
.
「シロナ……はシンオウのチャンピオンだよな。ミツル……って、誰だ?男だよな……?」
グリーンのこの言葉に、レッドが隠れて笑っていたのはAもグリーンも気づいていない。
「ミツルくんはホウエン地方にいるとても強いトレーナーで、バトルリゾート……ここでいうバトルツリーみたいな場所の常連の男の子です。バトルツリーの設計を考えるにあたって、ミツルくんにたくさん話を聞かせてもらったんですよ」
「へー、強いのか……」
「多分ヨウくんとそんなに年も変わらないくらいの子なんですけどね」
「まじか。ん?待て、ホウエンって言ったか?」
「はい、言いましたけど」
「……念のため聞くが、そのミツルに連絡するのに、あのはがねタイプオタク御曹司は通す必要あるのか?」
「あっ、いえ、ミツルくんは番号もらってるので直接電話しますよ」
その言葉を聞いてあからさまにほっとするグリーンを見て、さらにレッドは肩を震わせ爆笑していたとかいなかったとか。
2週間後。
「Aー!来たわよー!!」
ハウオリシティポートエリアにて、長い金髪の女性にぎゅーっと抱き着かれるAの姿があった。
一緒に来ていたグリーン、レッドは若干引き気味である。
「もー久しぶり!連絡くれて嬉しかったわ!」
「し、シロナさん、苦しいです……」
「あっ、ゴメンゴメン」
金髪の女性————シンオウチャンピオン・シロナはAを離すと、「それにしても」とあたりを見回した。
「この南国独特の雰囲気!いいわねーリゾートねー!」
「気に入っていただけて良かったです。それから……」
Aはシロナの奥にいる少年に視線を向けた。
「ミツルくんもようこそアローラへ!」
「はっ、はい!ありがとうございますっ」
ホウエン地方からミツル、シンオウ地方からシロナ。
またこうして各地から強いトレーナーが集まってくれるのは、バトルツリー考案者としてとても嬉しいことである。
「よおシロナ、はるばるご苦労さん」
「あらあらグリーンくん。Aから聞いてはいたけど、本当にアローラで活動してたのねえ。それに、そっちのキャップの人は、噂の山籠もり幼馴染くんね?」
「おう、レッドってんだ」
レッドもペコリと会釈する。
「初めましてレッドくん。シンオウでチャンピオンやってるシロナです。よろしくね」
その時、「ふああ……」と、可愛らしくも眠たげなソプラノの声が聞こえてきた。
59人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リトルポム | 作成日時:2022年8月3日 23時