第116話 ページ23
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ハノハノリゾートホテル内のレストランでは、宿泊客と思われる人たちが、思い思いにバイキングを楽しんでいた。
「とりあえず、まずはこの人数が座れるだけの座席を確保しないといけないわね」
シロナが会場中を見回していると、「そんなの必要ないわよ……」とカトレア。
「すでに私たちのための座席なんて取っておいてもらってるから」
「そうなの！？」
「こういうところも金持ちのなせる業なのか……」
グリーンは珍しく遠い目をしている。
「早く行きましょ、お腹空いたわ……」
カトレアに続き、全員で奥に用意されていた「カトレアお嬢様御一行様」と札があるテーブルに着く。
「誰か鞄を見てないといけないし、とりあえず、二手に分かれて、1チームずつ料理を取りに行った方かいいかな」
Aがそう提案すると、みんな「賛成」と言ってくれたので、まずはカトレア・シロナ・ミツルの3人が料理を取りに行くことになった、
A、レッド、グリーンはお留守番だ。
「……なあA」
グリーンが何やら深刻そうに切り出す。
「今日、カトレアの元同僚に会ってきたんだろ。どういうやつだった？」
「どういう……そうですね、誰にも言っていない部分というのが、他の人よりも多いんじゃないかなという印象です。グリーンさんより5歳くらいは年上でしょうか」
「ふーん……お前、そーゆーヤツが好みなの？」
「ええ！？まさか！ああいや、この言い方はギーマさんに失礼ですけど、でもギーマさんを『そういう』目で見ているわけではありませんしっ」
アタフタと慌てるAを見ていたグリーンは、やがて「はははっ」と安心したように笑った。
「そうだよな、ごめん変なこと聞いたわ！」
「いえいいんですよ。でもグリーンさんはこの手のお話には全く興味が無いのかと思ってましたので、今回の質問はちょっと意外でした」
「……オレ様だって人並みには興味あるぞー」
「そうでしたか」
「お前はどうなんだよ、この手の話題」
「あー……やりたいことも大事にしたい人たちもすでに十分にあったので、それ以上はあまり。でもカスミちゃんには『もったいない！』って言われましたし、兄夫婦は私の恋愛遍歴を心配しているそうですし」
「カスミなー、言いそう言いそう」
「けど、急ぐことは無いんだと思います。私達には守り神がついてますから、きっと最善の時に最善の采配をしてくださると、お兄ちゃんとも話をしてたので」
「守り神……」
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年8月3日 23時
