第110話 ページ17
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ヨウに見送られ、早速二人はウラウラ島に飛んだ。
エーテルハウスのあるエリアに行くには、リザードンフライトでカプの村に飛ぶのが一番早い。
カプの村のポケモンセンター前に降り立つと、ちょうど近くにアセロラがいた。
「あ、Aさん！今日はどうしたのー？」
「ちょっとエーテルハウスの近くに用事があって」
「エーテルハウス？なら一緒に行こうよ、アセロラも今からエーテルハウスに顔を出そうと思ってたのー！」
その会話の様子を見ていたカトレアが、「Aさんその子は……？」と尋ねてきたので、
「ウラウラ島でキャプテンをしているアセロラちゃん。ゴーストタイプが得意な子だよ」
と紹介してやる。
「はーい！古代のプリンセス、アセロラちゃんです！」
アセロラもいつものように自己紹介をする。
「アセロラ……そう、いい名前ね。カトレアよ、どうぞよろしく」
「うん、よろしくねー！」
こうして3人は連れ立ってエーテルハウス方面に出発することになった。
「それにしても、エーテルハウスの方に用事なんて、急にどうしたの？」
「ああ、実はカトレアちゃんが人を探していて。ギーマさんという人で、白い着物を着ている黒髪のひとなんだけど」
「名前は知らないけど、その見た目の人なら最近いつもエーテルハウスの近くの砂浜に立ってるよ」
「ほんと！？」
「うん、不思議な格好してるなーって思ってたんだけどね〜。特にその人に用事があるわけでもないし、話しかけたことは無いよ」
「そうなんだ……」
しばらく歩いていくと、エーテルハウスが見えてきた。
エーテルハウスは真っすぐ、砂浜はやや左方向なので、ここでアセロラとはお別れだ。
「それじゃあね、Aさん！ギーマさん見つかるといいねー！」
そう言ってエーテルハウスに入っていったアセロラを見送り、Aとカトレアは進路を左に取った。
しばらく道なりに進んでいくと砂浜に出て、アセロラの言う通り、白い着物の人が佇んでいた。
「カトレアちゃん、あの人が……？」
「髪型的にも、ギーマで間違いなさそうだわ。声をかけてみましょう……」
二人でその人物に近づき、カトレアが代表して「ギーマ」と声をかける。
その人はゆっくりとこちらを振り返った。
はっきりと見えたその顔は、確かにヨウが言っていた通り、目の下のクマがくっきりと出ていて、どこか恐ろしくも感じるものであった。
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年8月3日 23時
