第130話 ページ37
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翌日。
「……ポケモンたちがトレーナーあるいは共に暮らす人間から日々ポケリフレを受け、自分を不快にするような相手ではない、自分のことを委ねても良い相手なのだ、と繰り返し認識することが、ポケモンとのいわゆるなかよし度を上昇させる一因となっているのだと立証できました」
Aは最終演者として、タマムシ大学の大講堂で各地の研究者たちを前に発表していた。
「続いて注目すべきは、やはりポケモンの種族による差異だと思われます。なかよし度の上昇スピードの他、何をするとより喜んでくれるのかなど、まだまだ研究すべき項目は多いです」
学会発表に慣れてきたとはいえ、発表が終わるまではやっぱり緊張しっぱなしだ。
「また、人間がどの行為でどのような感情を抱き、ポケモンのどのような反応を見るとどのような感情を抱くのか、そのような視点からも検証すべきことは多いと思われます」
ここでAは言葉を切り、今一度聴衆に向き直った。
「以上で、今回の私の報告を終了とさせていただきます。みなさま、長時間のご清聴ありがとうございました」
マイクを切って一礼すると、聴衆から大きな拍手が送られた。
自分の発表はどうやら受け入れてもらえたようだ。安心して、大きく息を吐く。
座長のオーキド博士が「ありがとう。Aさんの発表でした」と言ったため、もう一度お辞儀をして降壇した。
「以上をもちまして、本日の会は終了となります。皆さん各地からどうもありがとうございました」
その言葉に合わせてもう一度拍手が起こり、今回の学会は解散となった。
Aのもとに、イッシュ地方のアララギ博士が駆けてくる。
「A！今日の発表もすごく良かったわよ！」
「アララギ博士！ありがとうございます！」
「頑張ってるのね！そういえば四天王のカトレアから聞いたのだけど、今バトル施設の運営にも携わってるんですって？」
「はい、幸いにも皆さんに楽しんでいただけているようで……」
「もーホントすごいわ！で、彼氏できた！？」
「アララギ博士またそれですか！」
アララギ博士には会うたびに「彼氏ができたか」と聞かれているので内心もうウンザリである。
「だってー！この中で一番若い子Aだもの、やっぱそういう話があったら聞きたいじゃない！？」
「誰得ですかそれ……」
「私得よ！」
軽くふんぞり返るように堂々と言ってのけたアララギ博士。もうなんというかアッパレである。
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年8月3日 23時
