第45話 ページ48
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「やあグリーンくん！アローラ」
「あ、ども」
ククイ博士が挨拶すると、グリーンも短く返し、
「ほらレッドも！」
と無理矢理頭を下げさせている。
「あははは、そんなことしなくていいのに。こちらが噂のレッドくんかい？」
「そう、雪山に年中引きこもってるバトル狂の変人」
「……」
レッドは「なんだよそれ」という目でじとーっとグリーンを見つめている。
「しかし、二人とも、忙しいだろうに、見送りに来てくれたのかい？」
「まあな。と言っても、言い出しっぺはレッドだけど」
「そうなのかい？」
「レッドのやつ、おたくの妹殿をいたく気に入ったみたいでな。珍しく下山してきたんだぜ」
「Aを気に入った？」
「話せば長くなるんだがな。コイツが自分から誰かを見送りに行く、だなんて超絶レア回だぜ」
「そ、そうなんだね……」
「ああ、そうだそうだ」
グリーンはなにやら持っていた袋から小さい袋を二つ取り出した。
「ほい、俺様からの土産だ」
グリーンはククイ博士とAに一つずつ渡してくれた。
「その中にはニビあられっつーニビシティの新名物が入ってる。船の中でおやつにでも食ってくれ」
「ニビシティっていうと確か……」
「今回初めて行ったジムのある街だったよね」
「そうそう！ジムリーダーはいわタイプだったな」
「もうなんか今回の旅が濃すぎてニビシティが懐かしいよ」
Aの発言に、ククイ博士もグリーンも愉快そうに笑う。
「なんだかんだ楽しい滞在だったようで何よりだぜ」
「グリーンさんにはいろいろとお世話になりました。ありがとうございました」
Aがぺこっと頭を下げると、「いいっていいって」とグリーンが笑う。
「俺も楽しかったしな。なんかうまく作用してレッドを下山させる機会もできたし。こっちこそありがとうな」
「なんだか、こうやってありがとうが飛び交っていると、シェイミがやってきてくれそうでワクワクしますね」
「「シェイミ？」」
グリーンとククイ博士、そしてレッドが揃って首を傾げる。
「シンオウ地方の幻のポケモンで、分類はかんしゃポケモン。ありがとうの気持ちを感じ取ると体の花が開くと言われていて、シェイミの伝説にちなんで、シンオウではグラシデアという花を感謝の気持ちを伝えるときに花束として渡すそうですよ」
「すげえポケモンもいるもんだな、てかアローラの人間なのに、良く知ってたな？」
「以前シンオウに行ったことがあるんです」
「なるほど」
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年4月17日 19時
