第28話 ページ31
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ふもとのポケモンセンターで最後の休憩を挟み、ついにAとグリーンはシロガネやま登山を開始した。
もちろんシルバースプレーをしっかり吹き付けるのも忘れない。
大きな滝を横目に、薄暗い洞窟の中を進んでいく。
「あの滝を上っていくとどこに出るんですか？」
「俺もあんまよくわかってねえんだよなあ。噂じゃあ伝説の三鳥の一匹ファイヤーが目撃されてるとかされてないとか……」
「ファイヤー？」
「ん、そうか、アローラじゃああんまり知られてねえのか。こっちじゃあファイヤー、サンダー、フリーザーっていう3匹の鳥ポケモンが伝説の三鳥ってんで有名なんだぜ」
「そうなんですか……」
と、ちょうど二人の目の前に、崖が現れた。
岩肌がゴツゴツしている。
「もしかして、ロッククライムって……」
「そう、こういうゴツゴツした岩肌の場所を器用に上ってもらうって技だな。つーわけで、出て来い、カイリキー！」
グリーンがボールを投げれば、カイリキーが元気に登場する。
「カイリキー、ロッククライム頼むぜ」
カイリキーはしっかりと頷くと、グリーンを抱えてあっという間に崖を上っていく。
「す、すごい……！」
グリーンは崖の上から「おーい」と呼びかけている。
「カイリキー下ろすから、同じようにカイリキーに捕まって上って来いよ〜」
その言葉が終わらないうちに、カイリキーがAのところまで下りてきた。
「えっと、それじゃあカイリキー、お願いできるかな」
カイリキーは任せろと言わんばかりに明るい表情で頷き、Aを抱えて崖の上まで上ってくれた。
「はいはいお疲れさん、どうよ、ロッククライム初体験」
「ポケモンってすごいですね。トレーナーを抱えてあんなに滑らかに上れるなんて。主人のトレーナー以外も快く乗せてくれるのは、人間を好きだという証拠ですから、グリーンさんがいいトレーナーって証拠ですね！」
「そうだろうそうだろう、なんてったって俺様はグリーン様だからな！」
芝居がかって胸を張るグリーンを見て、Aは思わずくすくすと笑う。
「おいおい笑うなよな〜。うっし、んじゃあ登山再開だ。
二人は一旦洞窟を出て、シロガネやま外周を進む。
「雪が積もっているのって、どのあたりからになるんですか？」
「時期にもよるが、7合目以降は積もってることが多いな。洞窟内をぐるぐると進んで外に出たら積もってるって感じだな」
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年4月17日 19時
