第25話 ページ27
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「ひでんわざ……？ロッククライム……？」
Aがぽつりと呟いた言葉に、「おや？」とオーキド博士が反応した。
「ひでんわざを知らんのかね？」
「ひでんわざという言葉はアローラでは聞かないですね」
「そうなのか。ひでんわざというのは、洞窟内などの障害を取り除いたり、水上を移動したりする際に使われる技の総称のようなものじゃよ」
「じゃあ海を渡るのになみのりが必要っていうのも……」
「そう、なみのりもひでんわざだからというわけじゃ！」
「しかしなあ、ロッククライムっていえば、Aのポケモンたちだとルガルガンが覚えられるが……」
※SMルガルガンがレベル習得
ククイ博士が首を傾げる。
「いったいそれをどう使うんだ？」
「ロッククライムは崖を上るのに使う技じゃよ。トレーナーを背に乗せたりして、ポケモンが崖を上ってくれるんじゃ」
「じゃあ無理だよお兄ちゃん！ルガルガンは体長0.8メートルしかないし華奢なポケモンだもの、大人を乗せて崖を上るのはあまりに酷すぎる！」
Aの言葉を受けて、「それもそうだな」とククイ博士が神妙に頷く。
「いったいどうしたものか……」
「ならば明日グリーンに相談してはどうじゃ？何かしら解決策を提案してくれるじゃろ」
「そうします」
ロッククライム問題については一旦終了。
「あとは……A上着は持ってきているんだっけか？」
「実は通販でコートを買っておいたの！」
「あっ、この間来た宅急便ってそれか！」
実はA、シロガネやまに行く気満々で、通販サイトでコートを注文していたのである。
「寒くないようにズボンも持ってきたし、ブーツもあるから雪道でも大丈夫！」
「準備いいなあ……だからあんなに荷物大きかったのか」
「カントーに雪山があるって知ってから、ずっとキュウコンを連れてってあげたいって思ってたんだから」
Aの手持ちのキュウコンも、アローラのすがたの子である。
「そうだな。よし、じゃあ後はホテルに戻る前にスプレー類を買い込んどけば問題ないな！」
「うん！」
「話もまとまったようじゃし、トキワまで送っていこう」
オーキド博士がそう提案してくれたのでお言葉に甘え、ククイ博士とAはいろいろあったこの小さな町————マサラタウンを後にしたのだった。
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年4月17日 19時
