第23話 ページ25
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「んじゃ、着いて来いよ」
グリーンに連れられ、Aはグリーンの家の中にお邪魔する。
「姉ちゃん。客だぜ」
リビングにいたのは、優しそうな女性だった。グリーンよりも5歳くらい年上だろうか。
「あら、グリーン。おかえりなさい。その子は……？あらっ、もしかしてグリーンの彼女！？」
「違ェよ！！」
「あらら照れなくてもいいのに〜」
「照れてもねェよ！！こいつは例のアローラの博士の妹！！」
「なあんだ、グリーンの恋バナが聞けるのかしらって期待したのに」
ちょっと残念そうにしたその女性は、「ああ、置いてけぼりにしてごめんなさいね」とAに一言謝罪し、
「グリーンの姉のナナミです。よろしくね」
と笑顔で挨拶してくれた。
「初めまして、アローラから来たAです。よろしくお願いします」
Aが挨拶を返すと、グリーンが、
「ジイさんがこいつに、姉ちゃんに会っていけばって言ってたんだよ。なんでも、姉ちゃんの毛づくろいが研究に役立つかもしれないってことでさ」
と説明してくれた。
「研究？あら、あなたも研究者さんなのね？」
「はい、『人間とポケモンのふれあいによる双方への影響について』というテーマで研究しています」
「なあるほど、それで『毛づくろいが役立つかも』なのね！いいわよ、なんでも聞いてちょうだいな」
「うっし、そんじゃ気が済んだら研究所の方に戻って来いよ」
グリーンはそう言い残しひらひらと手を振って出ていってしまった。
「あっ、ありがとうございましたー！」
Aのお礼が聞こえていたかは定かではないが……。
「全くもう、可愛い女の子と一緒に入ってくるから、ついにあの子にも春が来たのかと思ったんだけどなあ〜」
ナナミはまだそのことを引きずっている。
「グリーンさん、やっぱりポケモン一筋だったんですか？」
「そうねえ、あの子一応人気者の部類なんだけど、あの通りポケモン第一バトル第一だから……レッドくんって知ってるかしら？」
「あ、お話だけは聞きました」
「昔はあの子それなりに女の子とも遊んでたんだけど、レッドくんに負けてから、いつか見返してやるってそればっかりよ」
「そうなんですか……」
「それで、毛づくろいのことだったわね」
「はい、いろいろ聞かせてください！」
うちのグリーンさんはガチ恋愛は今回が初めての人です。
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年4月17日 19時
