第14話 ページ16
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「シロガネやまですか？確か、上の方は雪が降ってるんですよね」
「ああ」
「実は手持ちのポケモンにラナキラで捕まえたこおりタイプの子がいて、シロガネやまには連れて行ってあげたいなと思っていたんです」
「なら後でガイドを紹介するよ。初めて登る山で迷子になってもいけないしね。それに……」
ワタルは楽しそうな、含みを持たせた表情で続ける。
「キミほどの強いトレーナーなら、ぜひ会ってみてほしいヤツがいてね。そいつもシロガネやまによくいるから、ガイドに案内させよう」
「お気遣いありがとうございます！」
「ガイドを頼もうと思っている奴はジムリーダーだから、この後数日のうちに出会うだろうね」
「あ、そっか、お兄ちゃんがジムに訪問するから……」
そう、ククイ博士が各地のジムリーダーとバトルすることになっているので、遅かれ早かれジムリーダーには出会うことになるのだ。
「ソイツには俺からも連絡を入れておくよ。面倒見がいいやつだから安心してくれ」
「ありがとうございます」
「フフ、なんだかいつになく楽しそうね？チャンピオンさん」
カリンがそう話を振れば、ワタルは「ああ」と愉快そうに笑う。
「なにせアイツに幼馴染以外の人物を会わせるのなんて俺以外では例がないことだからな！」
「まあそうよね。何が起こるか楽しみだわ」
カリンはひとしきり笑った後、「さあ、進みなさいな」と奥を見やった。
「大事なのはこの奥……チャンピオンの部屋と、勇姿を記録する部屋だもの」
「そうだな。それじゃあお二人とも、奥の方へどうぞ」
ワタルに促され、兄妹はさらに奥の部屋、チャンピオンとの戦闘フィールドへと足を進めることになった。
「荘厳だな……」
ぴんと張りつめた空気。圧倒的な強さのオーラ。
チャンピオンという人物の風格を表すような部屋に、ククイ博士もその一言を零して黙ってしまう。
「でもやっぱり四天王の皆さんって強いんだね」
「ん？どういうことだ？」
ぽつりとAが口にした言葉を拾い、ククイ博士が問いかける。
「見てお兄ちゃん。圧倒的に部屋の使いこまれた形跡が少ないよ。バトルフィールドも損傷があまりないし」
「本当だな……」
「つまり、ここではバトルが頻発していない……四天王の皆さんが、挑戦者の道を阻み続けているっていうこと」
「なるほど……他の地方と肩を並べるリーグを作るには、四天王の人選がかなり重要になってくるな」
「そうだと思うよ」
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年4月17日 19時
