第12話 ページ14
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「ラナキラマウンテン……こちらでいうシロガネやまのような霊山か」
「ええ。この山は温暖なアローラ地方にあって、唯一の氷雪地帯です。アローラでその昔神と崇められたポケモンの生息地でもありますし、現時点では『島めぐり』の総まとめともいうべき試合が行われていた場所です。その特異性、リーグ建設にピッタリではないでしょうか」
「ほほう。そのような山があるのか」
キョウも関心を持ってくれたようで、口角が上がっている。
「そのような場所であるのなら、うむ、リーグ建設に相応しい。チャンピオンはそのあたり、どうかね」
キョウがワタルに話を振ると、ワタルも、
「これ以上ない選択だと思いますよ、大賛成です」
と太鼓判を押してくれた。
「それじゃあキョウさん、俺達はそろそろ次の部屋に進みますので」
「うむ。次の部屋ということはあやつか。まあ、気をつけて行くといい」
キョウに見送られ、Aたち一行は次の部屋に進んだ。
のだが。
「あっつい……！？」
入った部屋はサウナかと思うほどの暑さだったのだ。
「見てみろA、暑さの原因はこのマグマだ！」
「え！？うわっ、なんで！？」
床が無いところにはぐつぐつと煮えたぎるマグマ。明らかに建物の中とは思えない仕様である。
「ハハハ、ここはかくとうタイプ使いシバの部屋なんですが……やつは自分自身をも鍛える、とこのような内装にしていましてね」
ワタルが苦笑交じりに教えてくれる。
そのワタルの視線の先には、柔道着(なお上半身裸)の青年が床に腰を下ろして精神統一をしている様子があった。
「あれがシバです。いつもあんな感じです」
「ほほー……うちのハラさんと相性が良さそうだな」
「ハラさん？」
首を傾げたワタルに、ククイ博士が「アローラのかくとう使いですよ」と返すと、
「そりゃあ相性が良さそうだ！」
とワタルもからからと笑った。
「シバに関しては、挑戦者が来た時くらいしか動かないので、そっとしておいて次の部屋に行きましょう」
「えっ、いいんですかそれで」
「ええ。何かあれば向こうから連絡してくるでしょう」
「熱中症にならないといいんですけど……」
Aが心配そうに呟くと、ワタルは「優しいな」と微笑み、
「と、そういうわけだ！しっかり水分補給はするんだぞ！」
と、シバに向かって声を張り上げた。
「さあ、次の部屋に進みましょう。次は女性四天王ですから、Aも楽しいでしょう」
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年4月17日 19時
