くじら一家の末っ子くん part2 (ページ22)

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くじらが68匹ページ22

「宴だー！！！！」

誰かの大声と共におおー！という声が出る
甲板は大騒ぎ

それが始まる発端は、朝の新聞だった
ニュースクーが運んできた新聞のなかに手配書が一枚、入っていた

写真の人物はフードをかぶり、よく顔は見えない
懸賞金額、５０００万ベリー

そしてフードの脇にあるのは白ひげのマーク
記事にはこうかいてあった

《白ひげに新たなルーキー現る！？》

たったそれだけの情報、他のやつならわからないだろう
しかし、白ひげ海賊団そして昔からいる傘下の面々はわかった

新たなルーキーの正体はAだと

そして冒頭に戻る

「A～～！！！初の手配書で５０００万！！」
「ルーキーなんかじゃねぇさ！！俺らの自慢の弟だ！！！」
「ついにお前もお尋ね者！！」
「だぁーはっはっ！！！酒こっちにくれ！！」

すでに酒の入った兄たちは大笑いだ
酒のまだ飲めないAは酔っ払った兄たちに肩を組まれ絡まれている

『ちょっと抜ける～』
「主役だってのにぃよぉー」
『酒酔いそう！！』

船縁の近くに行くとやはりアウェイに感じるのかエースとデュースは端の方で飲み食いしていた

そこにふらふらとAは近寄った

『やっほぉ～…』
「疲れてるな…」
『兄ちゃん達いつも以上に絡んでくるからちょっとねぇ…』

そういいながらもやはりどこか嬉しそうだ

「…あいつらは、自分のことのように、喜ぶんだな」

エースがポツリと呟いた

『俺も家族が喜んでたら喜ぶよ』
「…お前らの"家族"ってのは……"息子"っていうのはなんなんだ」

暗い瞳はそこにはない闇を写しているようだった
それを無言で見つめるデュース
Aもそれを見つめたあと、空を見上げた

『…なんだろうね
俺にとって父さんが父さんなのは当たり前っていうか…
それに、ずっとそばにいてそれも当たり前だったからなぁ』

「白ひげは、お前らを…縛ってるんじゃないのか」

エースにとって、父親は自分にまとまりつく呪いのようなものだと思っていた
だから、息子になれと言われたとき白ひげもまた自分を縛るのではないかと思った

だが、Aもサッチも縛られているようには見えなかった
むしろ…

『んー…父さんはねいつだってシンプルだよ
そんなに難しいことは考えなくてもいい気がするよ』

そうわらって、Aは立ち上がった

『じゃあ』
「…A、」
『ん？』
「……オメデトウ、」

片言だが、そう伝えた
それにAは満面の笑みでありがとう！と答えた