くじら一家の末っ子くん part2 (ページ21)

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くじらが67匹ページ21

『ずるいなぁー！！』

船縁で我らが末っ子様はそう叫んだ
むすっ、とまた頬を膨らませているAに俺はハルタと顔を会わせた

「どうしたの？A」
『サッチ達戦闘だって～俺もからだ動かしたい！』
「お、じゃあ今度訓練でもやる？」
『やる！』

即答である
テンポのよい会話は聞いてて心地いいな、なんて考えている
ハルタとAは仲がいい。この間も二人でこっそり内緒話をしているのを見かけた
まぁ、イタズラ系の話なら俺と誘われるが

「サッチ達はなにしに行ったんだっけか」
『ヒント食い逃げ』
「把握」
「あははっばっかだなぁ～」

3人で船縁に寄りかかりそう話す。

「メンバーは？」
『サッチの隊の数人とティーチ、エース』
「あれ？名前呼びだ。仲良くなったの」
『エースって結構いい子だった』
「へぇ…最近のいい子は他人の親に襲いかかるのか」
『それはあれだよ。イゾウ、つんでれ』
「それもちがうと思うよA」

あれー？と首をかしげるAを撫でると俺をじっと見つめてきた
なんだ？と問うとちがうのかーと呟いた
なぜ俺をみたのかは謎だが

「にしてもティーチがいるならやり過ぎになるね」
『船全壊！エースいるし燃えちゃったり？』
「船長を半殺しでしょ！」
「お、賭けるか？俺はどっちもだな」
『え、それあり？』
「ずるｯ、じゃあ俺も！」
『えぇ！それなら俺だって！』
「おいおいそれじゃあ賭けにならないだろ」

なんて風に話はつきない
主にAが変なことをいって俺らが突っ込む。そんな会話がテンポよく進む

夜になった頃サッチ達をのせた船が帰ってきた

酔っ払ったサッチが話す
船は沈み、船長をやり過ぎたらしい
まぁ予想通りというわけだ