くじら一家の末っ子くん part2 (ページ16)

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くじらが62匹ページ16

「こいつは、エドって言ってな…数年間一緒にいた家族だ」

知ってるよ。
とは言わずにただ父さんの話に耳を傾けていた

「こいつの名前と、話したこと、出来事…それは覚えてるのに、こいつの容姿や声なんかはすっかり忘れちまってなｧ…」

どこにいるんだろうな、と父さんはいう
俺だよ、って。俺が老婆の力で過去にとんだんだよ、って。エドはエドワードから取ったんだ、安直でしょ？って俺は言わなかった
父さんの記憶に息子としてじゃない俺の思い出がある。

そう思いたいなんて変わってるよね
でも、おでんに再開したらネタばらししないと
おでんは素直だからエド助！って叫んじゃうんだろうな、なんて心のなかで考えた

そういえば、おでんは何してるかな

ワノ国がカイドウの縄張りになっているのはきっと国の人を守るためだよね…？
何で父さんたちを頼らなかったんだろう…
会って聞きたいな

なんて、
後の俺は当時の俺をせせ笑う
「なんて甘い考えをしていたんだ」と
「どうしようもなく、バカだな俺は」と

自分を責めることをまだ知らない

「A、ちょっといいか…？」
『サッチ？』

父さんの足元から俺を呼ぶのはサッチだ
ハコを抱きながら飛び降りると船室に繋がる扉の前まで連れてこられる

『え？なに？』
「いやさ、エースのやつがオヤジと話がしたいらしくてさ」
『ああ、俺いたら邪魔ってこと？』
「いや、なんかそうでもないらしくて」

んん？？と首をかしげると
黙っていたポートガスがいう「見届けてくれ」と
え？俺ポートガスの何を見届けるの？ポートガス、父さんと話すだけだよね？
頭のなかは大混乱だがとりあえずわかった？と返事に疑問系をつけて返すと
ポートガスは父さんの方に歩いていった

本当に何をする気なんだろうか……