冒険の書11冊目 ページ24
〜貴方side〜
「お前か、やまだああああああああああっ!!!」
それは朝、目覚めて1番に聞こえてきた声だった。
昨日、私はあのまま寝てしまったらしく、誰かが部屋に
運んでくれたようだ。
とりあえず、声の聞こえた所へ向かうと、そこはセンラの部屋だった。
そういえば、さっきの声もセンラっぽい声だったな。
貴「センラ、入るぞ。」
ドアを開けると、縄で右足と左手をベッドに繋がれ、
もがいてるセンラと、センラのそばで座っている狸がいた。
目の前で起こっていることが衝撃的すぎて、私の思考は
停止していたが、背後から、
浦「どうした、センラ。」
島「うおっ!? また派手にやったなあ。」
坂「まーたやまだぬきかあ。 うらたさんしっかりしてよお。」
という3人の声ですぐに正気を取り戻した。
貴「センラッ、大丈夫か。」
私はセンラに駆け寄り、縄をほどいた瞬間、
センラは狸に飛び付くが、狸はそれをひらりとかわし、
手慣れたように後ろから志麻がセンラを取り押さえた。
狸はというと、うらたさんの胸元に飛び付き、うらたさんに
抱き抱えられる形になっていた。
船「うらたん、こいつをちゃんとしつけろって何度も言うたやん!!
もう47回目や!!」
志麻の腕の中でセンラはわめいていた。
ぽかんとしていると坂田が、
坂「あいつ、やまだぬきって言うんだけど、センラがなんか
嫌われててめっちゃイタズラされんの。」
と、教えてくれた。
うらたさんも多少は申し訳なさそうにしていて、
浦「もう、やまだぬき、ダメだぞ。」
と、注意していたが、当のやまだぬきはうらたさんの頬に
自分の顔をすりよせ、反省しているようにしていたが、センラの
方に顔を向けると、半目になり、口角をわずかに上げ、フンッと
鼻息を鳴らしてさえいた。
その反応に、またセンラはキレていた。
試しに私はうらたさんに近づき、うらたさんの腕の中に収まる
やまだぬきの頭を撫でてみると、やまだぬきは目を細め、
私の手にすりよってきた。
どうやら私は嫌われてはいなかったようだ。
ここの船での初めての朝は、とても騒がしかった。
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Ruina - 過去編すごく意味深い！これからも更新頑張ってください！ (2018年9月5日 17時) (
レス) id: 4f718e1884 (このIDを非表示/違反報告)
ありす - うわー！めっちゃ続き気になるー！面白いです!! (2018年2月23日 17時) (レス) id: 80a388aab0 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - おもしろいーー！！ (2017年8月24日 17時) (レス) id: 0f5fa8bb5a (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - (;_;)あ、あれ？め、目から塩水が、、、過去編ヤバかったです。(語彙力これからも応援しています。 (2017年8月17日 1時) (レス) id: 2a7062127e (このIDを非表示/違反報告)
manari(プロフ) - コメント失礼します！！めっちゃ感動しました…(泣)世界観も好きです！これからも頑張って下さい！！ (2017年8月15日 16時) (レス) id: b97d9f2d41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百合花日和 | 作成日時：2017年7月28日 20時
