思い出の書5冊目 ページ18
〜うらたside〜
次々と海賊に襲われる村人を見て、カッとなった俺を
まーしいが引きずって連れてきてくれた。
今は船の上。 村も見えない位置。
悔しい。 ただただ悔しい。
あの、優しかった村の皆を、1人でも助けることが
出来なかった自分にとにかく腹が立った。
自分にもっと力があれば、自分がもっと強かったら
そんな思いが頭を埋め尽くしていた。
他の3人も同じ思いだろう。
坂田なんか、さっきからずっと泣いている。
センラが一生懸命慰めているのも見えた。
でも、センラもよっぽど悔しいだろうし坂田の涙につられたんだろう、
だんだん坂田を慰める声が、涙混じりになっていった。
俺も目頭が熱くなってきた。
まーしいも船に着いてから、ずっと海、
正確には村の方角をただただ見つめていた。
俺のせいだ。
俺が、3人に海に出たいなんて言わなければ、
そうすれば、少なくともこんな悲しい思いをさせずに済んだのに。
何で、最悪の場合を想定して武器とかを持ってこなかったんだ。
あのとき、もっとやれることがあったんじゃないか。
・・・ごめん。
島坂田船「・・・えっ?」
どうやら、さっきの一言が口に出ていたらしい。
この際なら、思いを全部言ってしまおうか。
浦「言い出しっぺ俺なのに・・・最悪の場合を想定しないで、
武器とか持ってこれなかったし・・・・。」
ああ、やばい。 涙がこぼれそう。
浦「俺が・・・3人を俺の夢のために・・・・自分の身勝手な
理由で誘ったから・・・こんな、悲しい思いをさせちまった・・・。」
本当にごめん・・・。
浦「もう、俺の夢に・・・ついてこなくていいよ・・・・。
本当に・・・ごめんなさい・・・・。」
謝っても謝りきれない・・・。
言った言葉とは裏腹に、3人と別れたくない、
まだ、一緒にいたいなんて思う自分がいる。
本当に、わがままだよなあ・・・。 俺って・・・。
287人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ruina - 過去編すごく意味深い!これからも更新頑張ってください! (2018年9月5日 17時) (レス) id: 4f718e1884 (このIDを非表示/違反報告)
ありす - うわー!めっちゃ続き気になるー!面白いです!! (2018年2月23日 17時) (レス) id: 80a388aab0 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - おもしろいーー!! (2017年8月24日 17時) (レス) id: 0f5fa8bb5a (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - (;_;)あ、あれ?め、目から塩水が、、、過去編ヤバかったです。(語彙力これからも応援しています。 (2017年8月17日 1時) (レス) id: 2a7062127e (このIDを非表示/違反報告)
manari(プロフ) - コメント失礼します!!めっちゃ感動しました…(泣)世界観も好きです!これからも頑張って下さい!! (2017年8月15日 16時) (レス) id: b97d9f2d41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:百合花日和 | 作成日時:2017年7月28日 20時