死んだらトリップしましたけど《終わりのセラフ》《文スト》

１:プロローグ　家族の温度 ページ1

迫ってくる、死と云う名の剣は、簡単に私の脆い身体を切り裂いた。



そのまま惰性のように地面に叩き付けられれば、愛しい家族達の悲鳴が響く。



叫び声。泣き声。笑い声。狂い声。


様々な音が私の脳裏を揺らし、この戦場を色の無い世界に変えていく。



泣き出しそうに顔を歪めた家族達。


私達は柊家だよ？そんなことで脚を止めたらダメって、父様が怒っちゃうよ？



だから、もうなかないで＿＿＿＿＿＿




その時、私は確かに死んだんだ。



でも、誰かにふと手を引かれて＿＿＿＿




(あーぁ、本当に人間ってのは脆弱で愚かな癖に欲望だけは人一倍。
見ていて本当に飽きないよ。)



誰なの？



(君たちの争いにも飽きてきた、身勝手な神様ってやつさ。だからね、君には僕に面白いモノを見せてもらいたいな！)



何云ってるの………そんなくだらない事で、私の大切な人達を傷付けたの。



(禁忌に手を触れた君たちに云われたくないなぁ、生かして貰えるだけ感謝しなよ？
嗚呼、もうそろそろ時間かな。

さぁて、鬼に呪われた君は、新しい血脈の世界で何を紡ぐんだい＿＿＿＿？)




そうして、私は新たな世界に脚を踏み込んだのだった。

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