35話 ページ37
パンパンと手を叩けば、倉庫から響いていた音はピタリと止まった。
『はい、今日は此処まで。私は帰るから、君も仕事に戻りたまえ。』
何時ものように芥川君の訓練を終わらせた私は、踵を返したのだが。
「ま、待ってください………!いつもよりまだ時間が有ります、もう少しご指導願いたいのですが………」
フラりと立ち上がりながら、私を見てきた芥川君。
熱心なのは善いことなのだが、残念ながら此方とら用事がある。
『悪いが、君に時間が有っても今日は私にも私用が有ってねぇ。』
「私用、ですか………?何時の貴女なら僕が指導を請えば、呆れながらも指南して下さいました。
誰かとお逢いになる約束でも?」
珍しく食らい付いてくる芥川君に、若干の驚きを含ませながら私は笑った。
『私だって約束くらいするさ、君には関係のない事だが今日は、中也が家に泊まりに来るんだよ、蛞蝓だけど料理は上手いから。』
「…………そう、ですか(中原さんも、本気を出してきたと言う訳か)。」
何かを考え込む芥川君。
そんなに指南して欲しいならと、私は懐から数枚の紙を手渡した。
『それじゃあ、宿題ね。これに自分の異能力の秀でているところと弱点を書いてきて。
明日は私の仕事は休みだから、訓練も休み。明日の朝までに提出して。』
それだけを云うと、私は倉庫を出た。
何処か熱烈過ぎる目線を送ってくる部下に、クスリと笑みを称えて。
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麗亜@眠い。(プロフ) - 失礼します。只今中原中也誕生祭実施中です。よかったらご参加お願いします! (2017年4月29日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
コウ(プロフ) - オチは中也さんオチだといいな〜です! (2017年4月29日 14時) (レス) id: 3439354143 (このIDを非表示/違反報告)
お芋 - 中也さんオチがいいです…!! (2017年4月27日 20時) (レス) id: 425d94421e (このIDを非表示/違反報告)
麗亜@眠い。(プロフ) - オチ中也さんがいいな。。。 (2017年4月27日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
アオアオ - 初めまして!この作品とても面白いです!オチは中也さんがいいです!!この流れは絶対中也さんだと思います!!これからも頑張ってください! (2017年4月27日 14時) (レス) id: 20e1587176 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/
作成日時:2017年4月11日 19時