太宰治に成り変わったんだが《文スト》

３４話 ページ36

『………あぁあああああ………』


｢壊れたラッパみてェな声を出すんじゃねェ青鯖の包帯巻き。｣


『なにそれ生臭そう……私はやる気が起きないのだよ中也ァ……………呼吸だけで腹が膨れたら良いのに………』


幹部執務室のソファに、ずるずるとだらしなく横たわる私に、中也が冷たい目線を送ってくる。

机には大量に積まれていた書類が、きちんと整理された状態。

椅子に腰掛けていた中也は、それを全て片付けてくれていた。


｢まさかだが手前………最近なに食べた？｣


『えぇ………そうだなぁ、カニ缶と酒しか口に運んでないかな？』


｢うっわ！！不健康極まりねェじゃねェか！｣


『だって私、料理とか全く出来ないもの。
そうだ！中也、今日はうちに泊まりに来なよ、序でにご飯も作って！』


｢はァ？！｣


驚いたように口をパクパクとする中也。

私は小首をかしげて、中也のよく伸びる頬をうにーっと摘まむ。

『別に私たちの事なんだから、今更でしょ？
マフィアに純潔なんて有りはしないんだしさ、
上司命令だよ、中也。』

｢…………ッはぁ……わァったよ、仕事終わったら手前の家に行けば良いんだな？｣

『そうそう！待ってるから。』


よし、コレで今までのカニ缶しか食べれない生活とはおさらばだ。


るんるんの機嫌よく笑う私に対して、中也は何故か赤くした頬を隠していた。









｢無自覚って怖ェ…………｣

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