23話 ページ24
自分の放った拳が、いとも簡単にコンクリートの塊を砕き、粉砕する。
「今日はこんなもんか。」
俺は構えた姿勢を崩すと、隅に置いていたタオルに手を伸ばした。
額から顎までを伝う汗を脱ぐいとり、訓練室をあとにする。
マフィア本部内はやたら人通りが多かった。
構成員達の表情が強ばっているのを見て、何か有ったのかと眉を潜める。
すると、一人の黒服の構成員が、俺のところに走りよってきた。
「中原さんッ!!」
「ンだよ、何か有ったのか?」
「実はッ……………太宰次期幹部候補が任務で重傷を負われまして………意識が戻らないのです。
太宰次期幹部候補を切りつけたのは、マフィアの構成員で、そいつは拷問室に居ます。」
俺は思わずタオルを落としてしまった。
頭を過る、太宰の鳶色の瞳。俺をからかうウザイ顔に、時折見せる悲痛な顔。
怒りに歪んだ顔に、不機嫌そうなふくれた顔。
そして、ごくまれに見せてくる、笑った顔。
気がつけば、俺の脚は勝手に救護室へと駆け出していた。
周囲の構成員を片っ端から退けて、ただ走る。
そして、ついた救護室に駆け込めば、其処には花魁の様な姐さんと医者姿の首領。
「中也………!」
「姐さん!!太宰は!?」
姐さんが云いきる前にその言葉を遮れば、森さんは俺の肩を優しく押してくれた。
白いカーテンが引かれる。
其処には。
「太宰…………」
白の手術服に身をつつみ、呼吸器をつけて眠る太宰がいた。
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麗亜@眠い。(プロフ) - 失礼します。只今中原中也誕生祭実施中です。よかったらご参加お願いします! (2017年4月29日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
コウ(プロフ) - オチは中也さんオチだといいな〜です! (2017年4月29日 14時) (レス) id: 3439354143 (このIDを非表示/違反報告)
お芋 - 中也さんオチがいいです…!! (2017年4月27日 20時) (レス) id: 425d94421e (このIDを非表示/違反報告)
麗亜@眠い。(プロフ) - オチ中也さんがいいな。。。 (2017年4月27日 15時) (レス) id: f73bf57bf2 (このIDを非表示/違反報告)
アオアオ - 初めまして!この作品とても面白いです!オチは中也さんがいいです!!この流れは絶対中也さんだと思います!!これからも頑張ってください! (2017年4月27日 14時) (レス) id: 20e1587176 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/
作成日時:2017年4月11日 19時