太宰治に成り変わったんだが《文スト》

２話 ページ2

太宰治に成り変わった。


その事実を受け入れることに、あまり抵抗を感じずに私は日々を過ごした。


周りに伺ったところ、太宰治は女であり、太宰Aとして生をうけている。


それから数日後に、私はポートマフィアの専属医者の森鴎外に引き取られた。



｢太宰君、そのままじゃあ流石に冷え込むよ？
これを着ていなさい。｣


『有り難うございます………』


森さんはマフィア本部につくと、私にカッターシャツと黒のネクタイ、そして黒のプリーツスカートを手渡した。


自 殺を繰り返すうちに刻み込まれた惨い傷たちは森さんが包帯を巻いてくれて。


本当の太宰治に負けないくらい包帯まみれになったけど良いだろう。


｢そうそう、君と同い年の子がもう一人組織に入ったんだよ。彼もまた強力な異能力を持っているうえ、十分な素質の持ち主だ。

明日からの訓練で度々会うことになるとは思うから、挨拶ぐらいはしておくように。｣

　
『はい。』


｢あとこれ。戦略的理論の本だよ。
君は女の子だからね、異能力も戦闘向けでは無いうえに頭脳明晰だ。
君は作戦参謀として育てるけど、最低限の武器の扱いは覚えさせるから。｣

『…………有り難うございます、森さん。』


これで、良いのだろうか。


現実の私はきっと、死んだんだろう。


太宰Aとしてうけた生を、此所で役立てることに悔いはないから。


成り変わり人生、ポートマフィア編。


始まります。

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