今日からあなたのお母さんです。【太宰治】

十ニ話 ページ13

『うぅ、ぐすっ………』



あ…なんか涙が溢れてきたたたたた←←




「えぇ！？ちょっと、山原さん！？」




たかが敬語抜けただけだけど、


たかがそれだけだけど





私にとっては十分な幸せな出来事だった。




それから太宰くんは泣き止むまで慰めてくれて。反対にそれが原因となって私の涙腺は崩壊するばかりだった。



そして



『ぐすっ、…今日は第一歩の記念日だよ。夜はお赤飯作って太宰くんの好きな蟹缶も食べよう。あと、この前もらったワイン開けて、太宰くんをなでなでしてずっと朝があけるまで抱きしめるんだから……もう、尊い。ぐすっ』←←




彼が部屋から立ち去った頃にはもはや、変態化していた。



左手でハンカチを持って涙をふき、右手でキーボードをうつという奇妙な動作をする。




よし、今回の殲滅、秒で終わらせてやる！！


などと、勝手に自分でやる気に溢れながらもマウスを動かす手を進めた。





“当たり前は当たり前ではない”





この言葉をどこで聞いたのかは覚えてないが、




そのとおりだ、と私は思ったのであった。

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