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ショッピさんは諦めたような、呆れたような顔する。私は頷くと、ゾムは一枚の写真を取りだし、私の前に差し出した。
｢俺たちの任務はこいつから証拠を聞き出し、できれば生け捕りにすること｣
生け捕りにする、という言葉に反して、ゾムは右手で首を切ってみせる。生け捕りどころか完全に殺すつもりか。
｢この人は？｣
｢違法ドラッグを栽培、販売しとる。今までは黙認されてたけど、最近行動が過激になってきてな｣
黙認されてた、という時点でもう引っかかるけど、とりあえず最後まで聞いてからにしよう。私は頷いた。
｢で、極度の女好き。ロボロからの情報によると裏カジノの経営もしてる。そこでクスリを売っているみたいやな｣
｢……裏カジノ｣
｢そう。裏カジノ。飲む、打つ、買うをセットで提供してるって訳や｣
ゾムは右手で注射を打つジェスチャーをする。裏カジノ。どこかのホラー雑誌で見たことがある気がする。詳しくは覚えてないけど、ヤバい場所だということは覚えてる。
写真を改めて見ると、ゾムやショッピさんには及ばないけれど、整った顔の、さわさかで好感の持てる好青年がうつっていた。テレビに写っていても違和感がないような男だ。
｢この人、20歳くらいだけど、この若さで裏カジノを経営してるの？｣
｢ああ、それは…｣
｢父親を殺して奪ったらしいすよ｣
ショッピ君は料理を咀嚼し終えて言う。
｢まぁ、事故扱いになりましたが。個人情報はこっちに記載してあります。目を通しといてください｣
ショッピさんの手にはいつの間にかファイルが握られている。それを私に受け取るよう促した。
｢それで、Aの体と交換したいんや｣
｢……は？｣
私が口を開こうとした瞬間に、ショッピさんは顔を勢いよくあげる。フォークが軽快な音を立てて落ちる。
｢ゾムさん、何言ってるんすか？意味わかんないんすけど｣
｢これが、Aを呼んだ理由やで｣
｢交換するって……？｣
ゾムはパーカーのポケットから見覚えのある小瓶に入った錠剤を取り出す。
｢ゾム、それ勝手に……｣
｢くられ先生には言わんといてな！……さて、ショッピ君｣
｢……？｣
ショッピさんは怪訝な顔でゾムの手のひらにある錠剤を見つめる。説明を求めている顔だ。
｢実際に見た方が早いから、はい、A｣
ゾムは1錠を私に渡し、それから直ぐに錠剤を飲み込んだ。
｢……え｣
｢ん｣
恥ずかしいような気詰まりのような思いが全身に満ちる。私は注射器を今持っていない。血のストックもない。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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みやこ - 貴方様が紡がれるストーリーやキャラの描写、言葉選び全てがあまりにも素晴らしく、飲まれるように一気に拝読させていただきました。zmと夢主の関係性やこの後の展開がどうなるのか思いを馳せながら続編が開く時が来るのをとても楽しみにしております。ご自愛ください。 (10月15日 2時) (
レス) @page50 id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - もっと早くに見つけてればよかった…！！！めちゃめちゃ好きです、続編開くの待ってます…！ (8月25日 14時) (レス) @page50 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
暇人パーリナイ(プロフ) - とても素晴らしい作品で愛読させていただいてます、続編が開放される時を楽しみに日々過ごしています。更新頑張ってください。 (2020年10月11日 22時) (レス) id: 6c369c24d6 (このIDを非表示/違反報告)
mailnoadodapo(プロフ) - 何かもう最高すぎてやばい……やばい!!←大事なことなので2回言いました、貴方の作品初めて読んだんですけど、まじで好きです (*´ω`*)これからも推させていただきますね (2020年7月8日 4時) (レス) id: 71f963574a (このIDを非表示/違反報告)
おじ - 久しぶりの更新とても嬉しいです！疲れない程度に更新頑張ってください！ (2020年1月5日 20時) (レス) id: 9cde916c26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かよ | 作成日時：2019年5月16日 0時
