十五 ページ17
神楽「実験台ってどういうことネ?」
神楽「絵梨衣も実験台だったアルか?」
神楽の問いかけに顔を伏せて黙り込む絵梨衣。
蒼「その様子だと、周りには言ってないみたいね」
絵梨衣(「言えるわけない…今みたいに居られなくなる」)
スケッチブックを持つ手は小刻みに震えていた。
すると、絵梨衣の隣に座る神楽が震える絵梨衣の手をそっと包み込むように触れた
神楽「私よく分かってないネ。でもコイツがさっき言ってた"夜兎族だから"て言い方から分かるのは、私なら絵梨衣の抱えてるもの…受け止められるカ?」
蒼「うん。絵梨衣の力は人間にだけ発動される…夜兎のお前ならペナルティ無しで214…絵梨衣の声を聞くことができる」
神楽「私、絵梨衣と一緒に悩んであげるヨ!絵梨衣、教えてヨ…」
あぁ…絵梨衣のことでこんなに真剣になってくれる友達がいるんだ__________
絵梨衣「神楽……あ、ありが…と」
神楽「!……オウヨ!」
絵梨衣「教えて…蒼」
本人からの了承を確認した蒼は、改めて絵梨衣の力について話し始めた
蒼「絵梨衣の力の正式名称は"審判"。その名の通り審判を下す……"死"の審判を」
「ただこの力が発動するのは人間にだけ。天人には効果が無い…絵梨衣にとってはそれが一番辛いこと」
神楽「じゃあ、ゴリラ達と話したら…」
蒼「死ぬ…身近な人だって審判の対象」
想像していたよりも辛い条件に神楽は驚いていた。
実の所神楽は初めて絵梨衣と会った時、声が出せない病気、耳が聞こえない病気なのかと思っていた。しかし先程、神楽と蒼を止めるために声を出したことからその考えは無くなった
神楽「絵梨衣はそれでいいアルか?自分の声で話したいことだってあるデショ?」
絵梨衣(「大丈夫(。・ω・。)絵梨衣は、みんなと一緒に居れるだけでいいの」)
神楽「嘘ネ。絵梨衣が笑ったところ見たことないアル…ずっとどこか遠くを見てる気がするヨ」
先程から勘が鋭い神楽に何も返せなかった。すると蒼が何かを思い出したように話し始めた
蒼「確証は、無い。けど…もしかしたら絵梨衣の声を出すことができるかも」
神楽「ホントアルか!?」
蒼「そのためには、私たちの実験場へ行く手掛かりが必要」
14人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Spica | 作成日時:2020年10月14日 0時