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十二 ページ14

祭りから数日。



あの爆発から無事に将軍様を守り抜いた真選組。しかし爆発の被害は酷く、現在はその始末書を片付ける日々


副長補佐の絵梨衣も始末書に負われていた。




土方「絵梨衣、次これ頼む」



副長室で作業中の二人。

土方は向かい側にいる絵梨衣に次の書類を渡す。作業を止める訳にも行かないため背を向けている



普段であれば無言で受け取られる書類だったが、今日は土方の手に残ったまま。


しかも今日所ではなく祭りの日からずっと同じ事の繰り返しだった


土方(またか…)




土方は頭を抱えて渋々筆を止め、絵梨衣の肩を叩いた



気づいていなかったのか絵梨衣はビクッと体を震わせて慌てて土方の方へ視線を移す



絵梨衣(「ごめん(>人<;)…すぐやる」)



土方「いや、今日はもうお前休め」




絵梨衣(「大丈夫!まだできるよ( *•̀ㅿ•́*)」)




頑なに引かない絵梨衣をどうしたものかと考えた結果、別の仕事を任せて書類から引き離そうとする



土方「んじゃあこれ頼む。他の隊士に頼むとこだったがお前に任すわ」




土方が絵梨衣に渡したのは買い物リスト。




絵梨衣(「でも、始末書」)




土方「ちょっくら外の空気吸ってこい。たまには仕事気にせず休め」




そう言って土方は再び始末書へ筆を走らせた。

絵梨衣は唖然としていたが、買い物とはいえ仕事のようなもの。任されたからにはしっかり務めなくてはいけないと思い、絵梨衣は副長室を後にした



絵梨衣と入れ違いで近藤が副長室を訪れた





近藤「あれ?絵梨衣ちゃん外いったの?」




土方「あァ。絵梨衣にしては仕事が進んでねェ…疲れでも溜まってんだろ」




近藤「大丈夫かなぁ…最近街中で"天人狩り"がいるなんて噂が立ってるから」




土方「天人狩りだァ?」




祭りの爆発の次は天人狩りかと呆れてため息をつく土方。




近藤「ちょっと前から噂程度に聞いてたんだが、最近活発になってな。天人じゃないから大丈夫だと思うけど心配だなぁ」






土方「大丈夫だろ。あいつは自分の身の危険くらいなら気付くだろ」







絵梨衣のことに特に心配しているわけではなさそうな土方だが、先程まで始末書作業をしていた手が止まりたばこを吸い始めた辺り、何があってもすぐに動けるようになっている辺り「心配してるんだなぁ」と微笑ましく見ていた近藤だった。

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作者名:Spica | 作成日時:2020年10月14日 0時

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