十 ページ12
しばらく2人の射的対決を見ていると、急に神楽との対決をやめて絵梨衣の方へ戻ってくる沖田。
勝負から逃げたと思われ神楽が後ろで何か叫んでいるが、沖田は見向きもせず絵梨衣にある物を手渡した
それはひよこのぬいぐるみ。
丸くてふわふわした、絵梨衣の好きなひよこのぬいぐるみが目の前にある
ぬいぐるみを抱えているためスケッチブックが取り出せず、不思議そうに沖田を見る絵梨衣。
沖田「俺だけ楽しんじゃ意味ねぇや。それやるから大事にしろよ？」
絵梨衣はぬいぐるみを上手く片手で抱えるように持ち、スケッチブックにペンを走らせる。
絵梨衣(「ありがとう。総悟に貰ったアヒルさんのお友達だね(*´∀｀*)」)
沖田「…あれまだ持ってたのかィ。もう10年も前のやつだろ」
絵梨衣(「総悟が初めてくれたものだから、大事なの( *•̀ㅿ•́*)」)
「そうかィ」とどこか満足気な表情を浮かべた沖田。
再び神楽との射的対決に戻ろうとしたが、次の瞬間
花火会場から大きな爆発音がした________
❀-❀-❀-❀-❀
爆発音を聞いて屋台通りにいた人達は一斉に会場から離れるように走っていく。
神楽と新八は様子を確認しに行くと言って花火会場へと走っていく。
沖田も後に続くように走っていこうとしたため、絵梨衣も後について行こうとしたが止められた
沖田「お前はここで大人しくしてろィ」
絵梨衣は止める沖田に反抗しようとしたが、前日に近藤と土方と話していた時のことを思い出した。
何が起こるか分からない_______
絵梨衣は足でまといになりたくない________
何も出来ない事に悔しく思いながらも絵梨衣は頷くしか無かった。
絵梨衣が頷いたと同時に沖田も花火会場に向かって走っていった
絵梨衣(ずっとお留守番だから考えてなかったけど、目の前で何も出来ないって…こんなに悔しいんだ)
絵梨衣は抱いているひよこのぬいぐるみを強く抱きしめた
大人しくしていろと言われても、ただ黙って待っている訳にも行かず辺りをみまわしていた
絵梨衣(…まだ逃げてない人がいる)
沖田達が走っていったのとは反対の通りに人影があった。
逃げ遅れたのかと思い近づいたが、それが間違いだった。大人しくしていれば良かったと後悔した
人影を前に絵梨衣は襖越しから聞いていた会議の内容を思い出した
江戸にとんでもねェ野郎が来ている__________
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Spica | 作成日時：2020年10月14日 0時
