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42話 ページ44

「正式な犯人を作者が告げていない、この作品で特筆すべき点はそこよ」


ほー、と博士は呟いたが、話を聞いただけでは誰が犯人なのか、もしくは犯人だったのか、という事は皆目見当がつかなかった。

白神しずくという作家の話をしていたはずの二人が、急にその話題を始めた理由もわからない。

ただ、ふむふむと頷いているしか手はないだろうと思い、話が進展するのを待った。


「それで、何で急にそんな話を始めたんだ? あの作品は白神先生の作品の中でも比較的初期のものだろ?」

「ええ。でも、だからこそ白神先生を知るのに重要だと思うわ。彼は別に表現方法を知らない子供じゃない。だんだんと言葉を作っていくのではなく、段々と本心を隠していくタイプ。初期三大作品は読めば読むほど闇を感じるけれど、最近は恋愛小説とか、比較的明るい分野に手を出しているでしょ?」

「なるほど。人柄を探るために作品に当たろう、ということじゃな」


やっと理解が追いつきそう告げる博士に、少女は鷹揚に頷いた。

少年は少しだけ驚いたような顔をしてから、なるほどな、と頷いた。

証拠を頼りに結論を導き、事件の細かい背景は謎が解けた後に自然と浮かび上がってくるタイプの探偵にはなかなかない発想のようだった。

それでも、行き詰っていた状況を打破する兆しが見えたせいか、それともやるべきことが定まったせいか、ここ数日で一番いい顔をしていた。


「白神先生のファンじゃなくても、この作品自体に興味を持った人は多いみたいで、ネットでも多くの意見が交換されているわ」


一番それらしいやり取りが機能しているのは此処ね、と少女は一つのサイトを開いて見せた。

気軽に意見交換できる掲示板、気になる文章をピックアップした資料、また少数の人数で話し合うようなのか、チャット機能もついていた。

掲示板で話していて、気が合ったもの同士チャットに移動して本格的に話し合うという事もあるようだった。

個人情報のやり取りを禁じているわけではないようなので、チャットからメールアドレスを送り、サイトを経由しないで話し合っている可能性もある。

様々な手段を取れるお陰か、かなり多くのユーザーが顔を出しているようだった。


「私が気になったのはこの二人のやり取りね」

「へ―、どれどれ……」


推理好き、というわけでもない少女の指摘に、少年が興味深そうにその画面をのぞき込む。

暫く残されたやり取りを見ていた少年はふとその日付を見て瞳を輝かせた。

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はちうん(プロフ) - くろさん» 結構危うい線ばかり渡っているので気を付けます。コメントありがとうございますね。 (2017年7月12日 21時) (レス) id: 52741b67fc (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - え、昴さんもアルバム見ちゃうの?コナン=新一だともろ、怪しまれるんじゃw更新待ってます。 (2017年7月11日 10時) (レス) id: 63c7811fee (このIDを非表示/違反報告)
はちうん(プロフ) - くろさん» ありがとうございます。これからも頑張りますね。 (2017年5月16日 6時) (レス) id: 8bc22cead9 (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - メンタリスト!あまりというか今まで読んだことないお話です!!続き楽しみにしてます! (2017年5月15日 15時) (レス) id: b1672a66d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちうん | 作者ホームページ:http://id35.fm-p.jp/408/yuna3lone/  
作成日時:2017年4月27日 23時

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