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部屋に戻ると桜良ちゃんが

窓の外を眺めていた。

桜良「おかえり」

「ただいま」

桜良「雪が積もりそうなくらい寒いね」

「そうだね」

桜良「聞いたんだよね?北山さんたちから」

「うん」

桜良「元々は、ここで経営者になるために、マネージャーで色んな人と接する仕事を経験してから、ここで女将をして経営者になるつもりだったの。でも、北山さんたちに声をかけられて、ライブに行って、すごいって思ったの。こんな人達のマネージャーになれるんだって」

桜良ちゃんは話しながらも

目線はずっと外だった。

桜良「こんな山奥の宿、話す相手はお客さんぐらいしかいなかった。だから、東京に出ようって決めてたの。でも、北山さんに声をかけられる前の日、私はその時まで務めてた事務所を辞めてきたの。もう、マネージャーは向かない、私はここで女将になって働くんだって」

桜良ちゃんはやっとこっちを向いた。

桜良「でも、北山さんは私に向かって、マネージャーが向いてるってそう言ってくれたの。初めて認められた瞬間だった」

桜良ちゃんの表情はとっても優しい顔をしていた。

桜良「それからずっとマネージャーをしてて、実家に帰ってきたのも久しぶりだった」

「そうだったんだね」

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作者名:ちみゅ | 作成日時:2019年3月15日 0時

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