総督さん、無感情少女を拾ったようです

第三十二話 リクエスト『夢主幼児化』 ページ38

Noside


いつも通りの、何も変わらないはずの朝


Aの部屋の前に立つ高杉は扉をノックし声をかける


しかし普段なら百発百中で帰ってくる返事が今日は無い




珍しい事もあるもんだ


高杉は扉を開け部屋に入った




高杉｢オイA、起き…｣




布団を剥がした高杉は眉をひそめた


そこにAの姿はなく、代わりにAの寝巻きにすっぽりと包まれた赤子が眠っている




高杉｢…は？｣




思わず声を漏らしたその時、赤子がぴくりと動きぐずり出したかと思えばオギャーオギャーと泣きだした




｢な、何事っスかー！？｣




泣き声を聞きつけたまた子達が部屋に飛んできた


赤ん坊を目にした瞬間一同は静まり戸惑いの表情を浮かべた




その沈黙を破ったのは万斉だ


神妙な面持ちで口を開く




万斉｢晋助、主まさか……産んだのでござるか｣


高杉｢斬るぞ｣




刀の柄に手をかざし抜刀寸前の所で赤子が更に声を上げて泣いたため事なきを得たが、次は赤子をどう泣き止ませるのかが問題だ




また子｢よっ…よしよ〜し、怖くないッスよ〜？｣




また子は赤子を布団から拾い上げあやしたが動きがぎこちなく中々泣き止まない


｢拙者に任せろ｣と万斉が名乗り出たがまた子と同様


｢んふふ…私にお任せ｢オギャーーーー！！｣｣

武市は論外だった




また子｢晋助様ぁぁぁ私達の手には負えないッスー！というかこの子誰ッスか！？｣


高杉｢知るかよ、俺ァAを呼びに来ただけだ
布団をどかしたらソイツが居たんだよ…｣


万斉｢何？ならばAは何処へ居るというのだ｣


武市｢ふむ…もしかするとその赤ん坊はAさんかもしれませんねぇ｣




3人の視線が一斉に武市に向けられる


どういう事だ、何故そう思うと高杉が問う




武市｢それがですねぇ、昨日積み荷の中から調達した覚えの無い薬を見つけまして…その説明書にこう書いてあったのですよ。『｢ぐんぐん大人にな〜るDX｣これを飲めば誰でも大人になる事ができるよ！』と。実に魅力的な薬だと思いAさんに飲ませてみたのですが何故か逆の効果が現れてしまったようですねぇ…｣




数秒後、鬼兵隊の船に銃声と打撃音が響いたことは言うまでもない

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