総督さん、無感情少女を拾ったようです

第十五話 Noside ページ17

Noside



Aは基本的に鬼兵隊の船の中を自由に歩く


自由と言うよりは、日中の過ごし方として仕込まれた命令の一つとして淡々と巡回をしているだけだが








今日もいつもの様に船を歩き回っていた








｢あり？キミ見かけない顔だね｣




Aは足を止め振り返った



サーモンピンクの三つ編みの男


ニコニコと笑いながらAに近づく




A｢……だれ……｣


｢俺は神威だよ☆｣


A｢……｣







神威｢ハハッそんなに警戒しないでくれよ

とって食おうとなんてしないさ

…ただし、強い奴なら話は別だ｣










ブォンッ！！










神威の脚が弧を描きAに迫る


Aは地面を蹴り後方へ飛びそれをかわす




神威｢思った通りだ、キミ普通の人間じゃないね｣




笑顔が消えあらわになった青い瞳がギラりと光る



再びAに飛びかかった


Aは無表情で神威の拳をパシパシと全て手で受け止める



神威はあらゆる攻撃をAに乱れ打つ


まるでAの戦意を誘うように








・












・











・








A｢……攻撃……敵……｣




次の瞬間、Aは神威の腕を掴み投げ飛ばした



悶々とAの周りに殺気が漂う



空中で体制を整え着地をした神威


Aはすかさず飛び上がり着地点へ目がけかかとを落とす



避けられ、代わりに床がべコベコに凹みｼﾞｭｰｯと煙をあげる



僅かに生まれた隙、神威の拳が迫る


Aは避ける訳でもなく左腕を顔の前に出す










バキリ…！

バキリ…！









この一回目の音はA


二回目は攻撃を左腕で受け止めたままのAが反撃し同じように左腕で受け止めた神威









両者間合いをとり再び踏み出したその時…













｢テメーらそこまでだ｣

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