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【14-1】決断 ページ7

話は(さかのぼ)ること1ヶ月前____




「どうだった……?曲のイメージとか壊してない?」


「……凄い……。」


「……え?」


「まふくん凄い……イメージ通りだしそれ以上だよっ……感動しちゃった私……!」


こみ上げる感情が、涙となって溢れてしまいそうになるのを必死に堪えた7月の終わり。


私の作ったピアノ曲「空想色」が念願のボカロ曲として完成した時の話だ。



「本当!?よかったー……」



私の言葉に安心したのか、まふくんは大きく息をつく。



「まさかミクとIAに歌わせるとは思わなかった、2人のハモリが幻想的な曲調を引き立ててるな。」


となりで一緒に聴いていたそらるさんも感心している様で


私も「うんうんっ」と大きく頷き同調した。



「本当?パートの分け方とか問題なかった?」


「うん完璧だよ!Cメロとか、1人だとブレスがきつい所もあったし」



きっとまふくんは、そういう所も配慮してデュエット曲にしてくれたんだろう。

やっぱりプロは凄いな……


「じゃあさ!」


感慨(かんがい)にふけていた私は、突然向かい合う形でまふくんに肩を掴まれる。


「今度はこの曲でコラボ動画だそうよ!」


「……へ?」



予想打にしていなかった言葉に、思わず固まってしまう私。



そらるさんは横で「おー、桜子まふの誕生だー」なんて、呑気に拍手をしていた。



「えっと……私の曲を、まふくんが一緒に歌ってくれるってこと……?」


「うん、Aが迷惑じゃなければ、一緒に歌いたい」



ピアノ以上に自信のない歌声を、動画としてあげるのはやっぱり怖くて、【夜桜】以来、動画投稿を避けていた私。


けれど、新作を求めるリスナーさんも多く、いつまでも逃げていられないのが現実だというのは、分かっていた。


まふくんと2人なら不安も恐怖も半減するのかな……



数秒の沈黙の中で、決意を固める。



緊張した面持ちのまふくんと、そらるさんが私を見つめていた。




「じゃあ……よろしくお願いします」


「いいの!?やった!!」




この時は、子供みたいに喜ぶまふくんに癒されて、不安も少し和らいだ気がしていたっけ……。

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設定タグ:歌い手 , 天月 , まふまふ   
作品ジャンル:恋愛
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mayuri(プロフ) - スイさん» 引き込まれて下さいましたか…!本当に嬉しい限りです(T_T)まふさんにも幸せになって欲しい…作者も切実にそう思います(><)好きな人の幸せが自分の幸せだと考えた時、彼等は前に進めるのかも知れません。更新頑張ります、素敵なコメントありがとうございました! (2017年3月22日 13時) (レス) id: 2673ae7c30 (このIDを非表示/違反報告)
スイ - それぞれの複雑な感情がすれ違って、すごく引き込まれます! 天月さんも応援したいけど、まふさんも幸せになって欲しいです。どっちとでも幸せになれると思うので、後は夢主ちゃんの気持ち次第ですね笑 これからも頑張って下さい (2017年3月22日 11時) (レス) id: 77c9f3f671 (このIDを非表示/違反報告)
mayuri(プロフ) - つゆをさん» 読者さんが感情移入出来るような小説を作るのが目標なので、そう言って頂けるのは本当に本当に嬉しいです……!!作者も天月さんには幸せになって欲しいと願っています、きっともう少しの辛抱です!とっても嬉しいコメントありがとうございました!更新頑張れます! (2017年1月28日 2時) (レス) id: 2673ae7c30 (このIDを非表示/違反報告)
つゆを - 読んでいて、何度も夢主ちゃんや天月さんなどの登場人物に感情移入させられて、たくさんの感情に振り回されたお話でした。多分、この状況で一番自分の気持ちを押し殺して、辛い気持ちの天月さんには、早く幸せになって欲しいと願っています。更新頑張ってください…!! (2017年1月27日 1時) (レス) id: c0e7fa7aa0 (このIDを非表示/違反報告)
mayuri(プロフ) - 夏芽さん» 完全に表記ミスでした。ご指摘ありがとうございます、助かりました……!こんなミスだらけの小説なのに楽しく読んで下さっているとの事で心より御礼申し上げます。呆れず最後までお付き合い頂けると嬉しいです(T_T)!本当にありがとうございました! (2017年1月19日 0時) (レス) id: 2673ae7c30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mayuri | 作成日時:2016年11月4日 20時

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