伍拾の刻 ページ12
sideなし
千冬を抱いたままAは帰宅した。
とりあえず、とリビングのソファに千冬を横たわらせると、Aは救急箱を取り出した。
「酷い傷だな………場地もよくやるな。」
ぽつりと呟いて一通り傷を見ると、早速治療に取り掛かった。
目は怪我しているが眼球に傷がついている様子はない。
鼻も折れたり脱臼しているというわけではない。
救急車が必要になるくらい酷い怪我だと言うわけではないな。
俺の手当だけで済みそうだ。
淡々と治療をこなす。
その間もずっと千冬は意識を失ったままだった。
「……良いな、お前らの関係」
ぽつりとAから、羨ましげな言葉が零れた。
作業音だけが鳴る空間でその言葉は誰にも拾われることなく、虚空に溶け込んでいった。
「さて、あとは目覚めを待つか。」
最後の湿布を貼り終えて、千冬の手当は完了した。
秋になり、既に日は暮れた頃である。Aは千冬が目覚めるのを待つ傍ら夕食の用意に取り掛かった。
目が覚めた千冬の目に飛び込んできたのは、見慣れない景色だった。
あれ、俺はさっき場地さんに殴られて……そっから気を失ったのか……？
ソファから起き上がり、とりあえずと考えていたところに、Aがやってきた。
「目が覚めたか、千冬よ。」
「ダテ君！？どうしてここに……」
「それは此処が俺の身を組織の者から隠すセーフエリアだからだ。」
つまり、ここはダテ君の家ってことか、
でも、外見厨二病の割に意外と普通の家だ。
いや、家族共有のリビングだったら厨二病っぽいこと出来ねーよな。
多分自室は厨二病って感じなんだろうな。
「貴様も聞きたいことが山ほどあるだろう？俺も山ほどある。
食べながら情報の整理をしよう」
「食べながら？」
そう言うと、Aはキッチンに向かう。
再び戻ってきたその手には、二人分のビーフシチューが乗っていた。
「貴様の意識が途絶えていた時間は
英気を養うのは大切だからな。」
戸惑ったが結局千冬はAの厚意に甘えることにした。
自作らしいビーフシチューは、Aの普段のイメージからは想像出来ないほどに美味しいものだった。
第二の三ツ谷君かよ。どう見ても料理してそうな見た目じゃねえぞ、腕の包帯とか火が燃え移りそうなのに。
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まぶぴちょこ(プロフ) - 初めて見た系統の作品で、凄く惹き込まれました！続きがめちゃくちゃ気になります！！無理せず更新頑張ってください✨✨ (2022年2月26日 21時) (
レス) @page13 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
皇 - 続編おめでとうございます!続きが楽しみです(*´ω｀*)無理せず更新頑張ってください!応援してます! (2022年1月21日 7時) (レス) @page7 id: 1473541b99 (このIDを非表示/違反報告)
Mａｋｕａ*ぼっち - 続編おめでとうございます！これからも無理せず更新頑張ってください！応援しています！早く続きが見たい⭐️ (2022年1月20日 14時) (レス) @page1 id: 9133ec87fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白崎 | 作成日時：2022年1月20日 11時
